春先には商店街や駅などでよく見かけたツバメですが、真夏になると、いつの間にか少なくなったりいなくなったりして姿を見る機会が減っていることに気づきます。彼らは、いったいどこに行ったのでしょうか。

■日本で繁殖する夏鳥「ツバメ」

近年、駅やコンビニエンスストア等の防犯カメラに巣を作る姿をよく目にします

 3月末から4月上旬になると、ツバメはフィリピンなどの南国から日本にやってきて、人家や商店街等の軒下に泥と枯れ草を使った巣を作り子育てをします。

 しかし、全国調査の結果によれば、ツバメは20年前と比較して4割も減少しているとか。皆さんの生活圏ではツバメを見ることができるでしょうか。先日通りかかったある地下鉄の駅では、改札の内外で多数のツバメの巣を見ることができました。“天敵”となるカラスから巣やヒナを守れることや、人が温かく見守ってくれていることが大きく影響しているように思います。また、最近は、防汚処理された外壁塗装の影響で、ツバメの巣材が外壁にくっつかないで落ちてしまうことも増えてきました。

 そのため、新たな営巣場所として、防犯カメラの上に巣を作る個体も目立ってきています。ツバメは、環境や人間社会の変化に合わせて柔軟に対応しているようです。

■ねぐら入りの舞台は平宮跡に広がるヨシ原

平城宮の中でも最も重要な場所だった大極殿
復元事業情報館前がツバメのねぐら入りの観察ポイントです
情報館の西側に広がるヨシ(アシ)原が、ツバメのねぐらとなるのです

 ツバメは繁殖を終えると、日中は単独や小さな群れで行動しますが、夜にはもう巣に戻らずにヨシ原などに集まって夜を過ごすようになります。集団になることで、猛禽類から身を守ったり、餌場の情報交換をしたりしているのではないかと言われています。そのような「集団ねぐら」は、全国各地に点在しています。

 そんな中でも、全国最大級の規模となっているのが奈良県にある平城宮跡です。古き時代には、平城京の中心地として多くの人でにぎわった場所に、現在では多くのツバメが集まってくるようになったというのは興味深いものです。