山梨県甲府市北部に位置する要害山(ようがいさん・標高約780m)は、戦国武将・武田信玄ゆかりの山城跡で、山梨百名山のひとつである。築城したのは信玄の父・武田信虎(のぶとら)で、甲府盆地を一望できる天然の要害として整備された。

 信玄は幼少期をこの城で過ごしたと伝えられ、後に「疾きこと風の如く……」で有名な「風林火山」の軍旗を掲げて名を馳せる名将へと成長する。

 山全体には、かつて軍兵が暮らした居住地である曲輪(くるわ)跡や、敵兵の侵攻を防ぐ堀切(ほりきり)など山城特有の遺構が残り、戦国期の構造を体感できる。麓には武田神社があり、歴史と登山を同時に楽しめる貴重なスポットとなっている。

■コースの紹介

武田軍の堅牢要塞・要害山を周回するコースだ(国土地理院地図より引用)

●登山口へのアクセス

 要害山登山口へは車でのアクセスが便利。中央自動車道・甲府昭和ICから約30分。武田神社方面へ向かい、さらに北へ進むと要害温泉付近に登山口駐車場がある。10台程度の無料駐車スペースが整備されている。

 公共交通機関を利用する場合は、JR甲府駅から山梨交通バスで武田神社へと向かい、そこからタクシー利用が現実的。登山口周辺に売店等はないため、飲料などは事前に準備しよう。

●コースタイム

【要害山登山口駐車場から要害山周回コース】所要時間
要害山登山口駐車場(0:00)→ 要害山登山口(0:10)→ 曲輪群(0:30)→ 要害山山頂(0:50)→ 要害山出口(1:35)→ 要害山登山口駐車場(1:50)
歩行距離:約2.7km
累積標高差:登り 293m、下り293m
合計所要時間:1時間50分

■周回コースで辿る山梨百名山 “戦国の山城” 要害山

要害山登山口に建てられた史跡を伝える石碑だ

●沢沿いから曲輪を目指す歴史探訪登山へ

要害山中腹。険しい顔で遠くを見つめる石像

 要害山登山は、要害温泉近くの駐車場を起点とした反時計回りの周回コースでスタートする。はじめは林道沿いを緩やかに進み、やがて山道へ。沢沿いの道は静かで、鳥のさえずりが心地よい。

 歩みを進めていくと段々と傾斜が増していく。土の道は踏み固められて歩きやすいが、戦国期の防御を思わせる地形の起伏が現れ始める。やがて最初の曲輪跡に到着。削平された平坦地が広がり、ここがかつて兵の詰所や居住地があった場所だと想像すると胸が高鳴る。歴史の空気を感じながらの登山は、通常のハイキングとは一味違う。