不安がなくなるまで掃き続ける

 「落ち葉は良く燃えるから焚き火に入れればいいじゃん」

 こう思われがちだが、それが落とし穴。この時期の焚き火は、ちょっとしたことで落ち葉に燃え移り、火事の原因に繋がってしまう。私は焚き火マイスターを名乗る以上、絶対にボヤ騒ぎは避けなくてはいけない。もしやらかしてしまったら、ニュースに“焚き火マイスターが大炎上”とキャッチコピーが並ぶのが目に浮かぶ。私だけではなく、もちろんみなさんも気をつけるべきである。

 この時期は、焚き火前の儀式として地面が見えるまで落ち葉を掃くことを忘れない。理想は焚き火台を中心に少なくとも半径2mは落ち葉がないようにしておきたい。そこに水を撒いておけば、もし薪が爆ぜて飛んで行っても安全である。また着火後、風で葉っぱが飛んできたら、掃き足していくこと。風がある程度強いときは、安全のために焚き火自体を控えたい。

 長いホウキの持ち運びは難しいが、サイズに関わらず焚き火の際はホウキを1本携帯しておくと、なにかと便利である。

地面に落ち葉がなくなることで焚き火が映える

■火に対しては過剰なくらい心配するのがちょうどいい

 早く火を起こしたい気持ちは理解できるが、まずは万が一のことを常に頭に入れて、落ち葉を掃いたり、消火用の水をたっぷり準備をしてから火をつけるようにしてほしい。

 周りからしてみたら、「なにをそんなに慎重になっている」「臆病で心配症だな」と思われてしまうかもしれないが、火事を起こしてからでは手遅れ。火に対しては、過剰に臆病で慎重なくらいがちょうどいい。

 もし誰かになにか言われるようなら、「焚き火マイスターが言っていたからさ」と私のせいにして構わない。私はクシャミをして、最悪ギックリ腰になるかもしれないが、火事を防げるなら、それでいい。