■登山届の提出は?

山岳遭難発生状況、発生件数10件、遭難者数10名、死亡0名、負傷者5名(軽傷3件・重症2件)、行方不明0名、無事救助5名『山梨県警発表、2022年5月1日~5月31日』

 5月は発生した10件のうち、負傷者と無事救助がそれぞれ半数の5件となっている。遭難件数が増え、急性心不全や骨盤骨折など重傷者もいたが、そのなかでの死亡0件は救助体制の尽力の賜物だ。もちろん、通報者、遭難者、救助者、医療機関の連携が首尾よく運んだこともあげられるだろう。

 また、10件のうち、登山届の提出があったのは3件のみ。その3件のうち、登山保険に加入ありは1件だった。まだまだ、登山届の提出は周知されていないようである。何かあった場合、救助の段取りが円滑になり、自分と仲間の命が助かる可能性が高くなる、ということを登山経験者は初心者に伝えていきたい。

 登山届の提出方法としては、ネットからがどんどん便利になっている。私は「コンパス」というサイトを利用しているが、“同行者プラス”という届けを共有できる機能が気にいっている。私の緊急連絡先だけでなく、同行者側からも個別に緊急連絡先を登録できるのがよい。また、山地図アプリの「YAMAP」や「ヤマレコ」を利用している方は、地図でルートを検討しながら登山届を提出するのが早いだろう。登山届は自分の命綱だ。