■「バーベキューマスターになりたいならば、良いトングを選びなさい」
その後、スティーブンが来日するにあたり、彼の撮影のサポート役も務めさせてもらった。野外で料理ができる都内のスタジオで、彼の料理を間近に見ることができた。とても貴重な時間だった。
その時にスティーブンから、「If you want to be a barbecue master, choose good tongs.(君がバーベキューマスターになりたいならば、良いトングを選びなさい)」とアドバイスをいただいた。トングは、包丁の次によく使う道具。彼からの言葉は心に響いた。以来、自分なりのトング探しを始めたのだが、なかなか好みのトングには出会えなかった。
しかし、シアトルのキッチン用品専門店「Sur La Table」でついに出会ったのが、この「Edlund/Heavy Duty S/S 9 Scalloped Tongs」だ。
その佇まい。マットなステンレスの質感。握り心地。ほどよいバネの力。MADE IN USAの刻印。そして、何より食材や薪や炭を掴みやすい。これだ、と思った。
直ぐに気に入り、調理用に長いものと短いもの、焚き火用に形状の違うものを合計3本購入した。以来、数回紛失して今は3代目になる(現在は日本でも入手可能)が、15年以上経った今も変わらず、このトングを愛用している。