小さい頃から、食べることが好きだった。勝手に冷蔵庫を開けては、料理の真似事のようなことをして、おやつにしていた。

 その頃からテレビの料理番組を見るようになったのだが、なかでも特に好きだったのが『世界の料理ショー』なる番組。カナダの料理番組で、進行役兼料理人を務めていたグラハム・カー氏の軽快なおしゃべりと、手際のいい料理がとても面白かった。この番組は幼かった私に、「料理はおいしくて楽しいもの」という意識を植え付けてくれたように思う。

 英語のタイトルは『The Galloping Gourmet』。まさに走り抜ける料理番組。今でもYouTubeで見ることができるからぜひ見てほしい。

 大人になってアウトドアで遊ぶようになり、登山やMTBで山に入ったり、カヤックで海や川に出かけるようになった。そこでも、おいしいものが食べたいという食欲は変わらなかった。この欲が今の自分を作り、アウトドアで料理をすることを仕事として続けていられる原動力なのだと思っている。