ダッチオーブンは、基本のローストから煮る、焼く、蒸すなど様々な調理法が楽しめる調理道具。日本では「アウトドア用の鍋」と認識されているが、これは日本での販促の影響に過ぎない。ダッチオーブンと一口に言うが、じつは種類は豊富。本国のアメリカでは、アウトドア店ではなくキッチン用品店で普通に販売されており、ただの「料理用の鍋」と認識されている。底に脚が付いていて焚き火の上に置ける構造の「キャンプダッチオーブン」という種類はあるものの、底に脚がないものなら家庭のガス台でもおいしい料理を作ることができる。
小学生の頃、テレビで放送していた西部劇の映画やドラマが大好きだった。遠い異国の昔の話。しかも、銃でドンパチやっている世界は新鮮に目に映った。
西部劇には、食事のシーンがちょくちょく出てくる。荒野で火を焚き、その火には黒くて大きな鍋をかけている。なんだか純粋に格好良い道具だなと思っていたし、画面の中の男たちが作るシンプルな食事も美味しそう見えた。もちろん、小学生の私はそれがダッチオーブンだなんて知るよしもなかった。