■長いトンネルを抜けた先には絶景が広がる
●13:20 旧熊ノ平駅出発
昼食を終え、熊ノ平を出ると、再び長いトンネルに入る。2号トンネルだ。このトンネルは単線時代のスイッチバックに使用されたため、途中までトンネルの断面が大きい。その空間を利用してトンネルの中で碓氷峠の歴史を描いた短編映画の上映が行なわれる。
長くて暗いトンネルを抜けると突然視界が開け、新碓氷川橋梁に出る。2号トンネルと1号トンネルの間の碓氷川に架けられたこの橋梁の上からは、下り線の橋梁、そして更にその向こうにアプト式時代のめがね橋も見ることができる。ツアーのハイライトだ。
最後に1号トンネルを抜けるとゴールの「峠の湯」は近い。
森の中の鉄路を歩いてゴールを目指していると、線路脇に大きな野生動物が顔を出した。
「廃線ウォーク」のロゴにもなっているカモシカである。ここがいかに自然豊かな場所であることを証明してくれたようだ。カモシカに見送られてツアーを踏破することができた。
廃線ウォーク https://haisen-walk.com/
●15:20 峠の湯 到着
ゴール地点は、安中市にある日帰り温泉施設「峠の湯」だ。ここからの廃線跡にはトロッコ列車「シェルパくん」が走っていて、横川駅近くの「鉄道文化むら」まで運んでくれる。途中には国の重要文化財でもある鉄道遺産、丸山変電所跡があり、トロッコ列車もここで停車するので降りて見学することができる。
●15:40 とうげのゆ駅出発
●16:00 ぶんかむら駅到着
トロッコ列車の終点「碓氷峠鉄道文化むら」は、旧碓氷線の歴史を伝え、小さな子どもから鉄道ファンまで楽しめる、鉄道テーマパークで貴重な鉄道車両が保存展示されている。
「碓氷峠鉄道文化むら」公式HP https://www.usuitouge.com/bunkamura/
また、峠の湯からは前述した遊歩道「アプトの道」でも横川まで行くことができるので、歩き足りない人にはこちらもオススメだ。そして、かつて熊の平駅で販売されていた「峠の力餅」を購入したい人は、創業250余年という老舗玉屋ドライブインまで足を延ばしてみるのもいいだろう。
最近は廃線になった鉄道跡を巡る人たちが増えているという。利用客減少などの理由で廃止となった鉄道路線の多くは、もともと美しい景色を望む自然の中を走っていたのだから当然かもしれない。