「温泉に行きたい」と思う時は、自分をリセットしたい時だ。
まずは家のお風呂にゆっくり浸かってみる。都内のスーパー銭湯にもよく行く。しかし、それでもダメな時は、小旅行するに限る。あまり遠くに行ってしまうと本格的な旅になってしまうので、あくまでも疲れない程度の近場の旅がいい。もちろん鉄道を使って。
というわけで、東武鉄道で栃木県の鬼怒川温泉に向かった。宿は星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界 鬼怒川」という贅沢。楽しみでしかたがない。
■新宿発の東武特急スペーシア
実は東武鉄道の特急が、JR新宿駅から東武日光駅と鬼怒川温泉駅に1日1便ずつ乗り入れている。2023年3月のダイヤ改正で減便されたが、中央線沿線住みの私としては、新宿から1本で鬼怒川温泉に到着するので大変楽だ。
新宿10:31発のスペーシアきぬがわ3号は、「雅(みやび)」と呼ばれる優雅で気品のある江戸紫のカラーリング。何度も乗車しているスペーシアで、今回は初めて個室を予約した。定員4名の個室は、1名から貸し切ることができる。
個室は空間がとても広く、コンセントも付いていた。カーペットが敷かれ、座席も非常にゆったりしている。大理石製の大きなテーブルがあるので、お弁当やパソコンを広げることも可能。荷物が多い人にも向いている。
途中、栗橋駅付近で一瞬電気が消えた。ここはJRと東武鉄道との切り替えポイントで、ここから東武鉄道の線路に入ることになる。鉄道ファンだと、こういうところでニヤリとしてしまう。
東武鉄道に入ってからは、のどかな景色を眺めつつ、12:16、下今市駅に到着した。このまま鬼怒川温泉まで直行できるのだが、せっかくならSLに乗りたい。