■月山湖でカヤック、バイクで月山ペアリフトまで漕ぎ上がれ

カヤックコース前方では日本一の高さを誇る噴水が選手たちを激励するかのようでした

 大会当日は朝6時半スタートとちょっと早いですが、早起きしてスタート会場に向かいます。最初のカヤックはチームから個人の順に次々と出艇。湖面では町が特別に高さ日本一の112mの大噴水を行なってくれ、カヤックを漕ぎながら水面から見ると迫力あります。今回はタンデム(二人乗り)なのでグイグイ進む。着岸に少し手間取りましたがスタッフさんが引き寄せてくれて無事に上陸。

Dsukeさんのクライマーパワー炸裂で、早いタイムでカヤックは戻って来れたけど(写真提供:モンベル)

 計測カードをスリットし、サンダルからシューズに履き替えてヘルメットを被ってバイクスタート。カヤックで腕がパンパンなうえ、足も意外に突っ張っていたらしくてペダルに力が入らない(汗)。出だしからの急坂がキツイ。ギアを最軽にしても辛い。前に進んでいる感が持てず、足がバイクフィニッシュまでもつ気がしないでいると、Dsuke氏がお助けロープを出して牽引してくれました。急登で何度か歩いてしまいましたが、どうにかバイクをフィニッシュ。氏いわく、「こんな激坂STSはなかなかないよ」。

SEA TO SUMMIT史上初? の自転車の牽引シーン。安全のため、一応、前日に練習しました(写真提供:モンベル)

■好天のもと気持ちのいいハイクコースを行く

 靴を履き替え半ば無理矢理にジェルを補給。登山は普段からしているので問題がないはずだけれど、今回ばかりはカヤック、バイクの疲れがどれくらいのものなのか心配。リフトで一気に高度を稼ぎながら、体を休める。と言っても時間を無駄にできないので、忘れちゃいけない日焼け止めを塗り、行動食を食べ、景色を頭の中に焼き付ける。やっと炭水化物を体が受け付けてくれたので、これからの登りも一安心(たぶん)。

 地図で分かっていたはずなのに姥ヶ岳からの月山の頂上への道のりに気が遠のきそうになりながらも歩くしかない。さすが人気の百名山。週末ともなれば、老若男女、修験者さんも団体登山客も頂上を目指すので時折渋滞が起きます。しかし、今日の私には恵みの渋滞です。そんな時に雪渓から吹き上げる風は冷たくてとても心地良く、歩みを止めてしまいそうになります。

 姥ヶ岳から牛首にかけてはゼンテイカ(ニッコウキスゲ)が一面に咲き、夏空のお花畑を進むのがとても気持ちがいい。雪渓ではスキーヤーたちが残雪を惜しみながら滑っていました。

新緑と残雪の白、そして青空のコントラストが美しい絶好のSEA TO SUMMIT日和でした

 登りではゼッケンに気付いた出場者同士が「お疲れ様です」「ガンバです。もう少しです」などと互いに声をかける。登山者同士とはまた違う讃えあう喜びが湧き上がり、フィニッシュまで頑張れる気がしました。私の今回の目標はSEA TO SUMMITを無事にフィニッシュする事もですが、もう一つ目的があるのでフィニッシュしても気持ちの余裕を持っておかないとならないのがいつもの登山とは違います。