山と渓谷の宝庫、長野県でも各地で紅葉が見頃を迎えています。全国的に高気圧に覆われ、秋晴れとなった10月最終日。県北部、高山村にある松川渓谷では、陽光を受けて赤や黄色の色鮮やかな紅葉が山肌を彩っていました。

 一帯は最上部の山田牧場エリア、さらに松川沿いに七味温泉エリアから山田温泉エリアまで、約1,000mの標高差があります。1ヶ月間あまり紅葉を楽しむことができ、例年10上旬に標高2,000m付近で紅葉が始まり、月末に標高900mくらいまで紅葉が降りてきます。

 今年は紅葉の始まりがやや遅い印象。木の種類によっても多少違いますが、南向き斜面の日当たりのいいところは、標高1,200m付近(五色温泉)辺りが鮮やかにに色づいていました(2022年10月31日)。写真映えすることで人気の赤い橋、「高井橋」付近も標高は低いですがすでに紅葉の見頃で、多くの観光客がカメラのレンズを向けていました。

秋の低い光。急峻な山肌。陰になる部分が多い分、日差しを受けた木々が色鮮やかに浮き立ちます

 急峻な深い谷間は日差しを遮ります。特にこの時期は明暗のコントラストがはっきりとし、紅葉が斜面に浮き立つように見えて鮮烈です。時間帯によって景色が著しく変わるもの見どころ。

 明るい森は、紅葉した葉や落ち葉が匂い立つように、独特の芳香を放っています。朝夕は冷えるものの、散策するにももってこいの気候ですね。

「七味温泉」上流の河原にて。紅葉の赤を映し込む松川の流れ

 松川のほとりは、谷筋に沿うように八つの温泉が点在する「信州高山温泉郷」となっています。泉質もロケーションもバリエーションに富んだ温泉の宝庫。紅葉狩りとドライブがてら、温泉にのんびりと浸かって日頃の疲れを癒すのもいいですね!