高い山々の紅葉は終わり、低山、里山の樹々が美しく色づいてきている。みなさんが住む街の紅葉もピークを迎えようとしている頃では? 綺麗な紅葉は絶好の被写体だ。けれど、いざ写真を撮ってみると、「もっと綺麗だったのに……」「イメージと違う」なんて人も多いかもしれない。

 そんなとき、ちょっとしたコツをつかむと、むしろ写真の方が印象的に“盛れる”こともある。終わりかけの枯れたような葉っぱでも輝かせることができる!? テクニックを紹介したい。

■写真は「逆光」だ!

光源を背に被写体を撮る。順光。紅葉の色味は忠実に出るのだが、終わりかけの感じが出てしまっている

 ポイントは、ずばり「逆光」を使う! 写真における逆光の恩恵は数知れないが、今回は「透明感をより強調する」効果を狙ってみる。逆光とは、カメラ位置から被写体を見た場合に、その被写体の後方より光源(太陽)が照らしている状態のことだ。この状態だと薄く透き通った部分は光を透過する事になる。

 ただし、あまりに強烈な逆光だと乱反射をおこして画像が乱れる可能性も(おもしろく印象的な写真になることもある)。斜光、半逆光といった、ほどほどの逆光具合が効果的だ。

モミジの葉に光が逆光で当たる。透明感が出てみずみずしく見える

 苦手意識のある人も多い逆光だが、難しいのは露出、つまり明るい・暗いの調整がカメラ任せだとうまくいかないためだ。最近のカメラであれば、自動で程よく処理してくれる場合もあるのだが、それでもこちらの思惑と違う結果となることも多い。その場合は少しずつ構図を変えてイメージに近い仕上がりになるように試してみよう。露出補正やマニュアルで露出値を設定できる機材、技術があればベストである。