■薮原宿で喉を潤し、国道19号線“恐怖のトンネル”を抜けて奈良井宿へ

石畳の歩道と交差する旧国道。石碑には「中山道」と刻まれていました

 忙しなく鳴くツクツクボウシの声が聞こえ出しました。少し蒸してきました。砂利道は石畳の歩道と交差しています。

趣ある水場が点在しています。これは「原町清水」

 少し轍が目立つようになったものの、あいかわらず快適な砂利道を下っていくと、舗装路に出ました。少し薮原の町を走ってみました。こちらは奈良井宿と違って観光客の姿もなく、レトロな雰囲気が漂っていて、どこか懐かし日本の田舎町の風情です。趣ある水場が点在しているのもなかなか素敵。喉を潤し、日陰でしばらく休憩させてもらいました。

大型車がすぐ脇をかすめる「(新)鳥居トンネル」。山道より怖い

 国道19号線に出たらすぐに「(新)鳥居トンネル」が待っています。(表示されていたので)自転車を押して歩きますが、狭い歩道はギリギリの幅。奈良井宿に向かって左側だけ柵が設けられていました。もしすれ違いがあったらどうしようかと不安になります。騒音と排気ガスに満ちたトンネル。大型車が脇をかすめるように走り抜けるのは恐怖でしかありません。普段車で通るのとは全く別の世界がそこにありました。いいことは涼しいことくらいでしょうか。

 思えば、初めて買ったバイク(オートバイ)、そして車でも意気揚々とこの道を走りました。まさかこの歳になってから、わざわざ自転車を押して通ることになるとは……。当時の自分は想像もしていなかったでしょう。

なかなか手が回らないのも理解できますが、田舎の町外れの歩道は荒れています

 トンネルを抜けた後も歩道(自転車通行可)の舗装は荒れて草は伸び放題で行く手を遮ります。途中から国道から外れて走ろうと予定していた道も老朽化で橋が通行止めとなっていました。

奈良井宿の外れ。奈良井川がゆっくりと日本海へと向かって流れていきます

 そんな訳で、ようやく奈良井宿に戻ってきたときは正直ホッとしてしまいました。すでに観光客もまばらになって静かな時間が流れています。自転車を傍に歩きながら先ほど走った山中の峠道を見上げるように振り返り、今日の峠越えを思い返しました。

 「また走りたいな」