本格的に暑くなる前のこの季節は、爽快なサイクリングを楽しめるベストシーズンです。しかし、甲信越地方も梅雨入りしてしまいました。なるべく天気のいい日を選びたいですが、仕事の都合もあります。雨を避けては通れないのがこの季節ですね。

 泥だらけになることを覚悟(楽しみに)しつつも、せっかく絶景ルートを設定したからには、少しだけでもいいから景色も楽しみたい……。筆者にとっては近場ですが、ちょっと冒険心をくすぐられるような、北信濃の里山のグラベルライドに出かけてきました。

■自転車と一緒にそのまま乗車可能! しなの鉄道の「サイクルトレイン」を利用してグラベルライドへ

グラベルバイクは、一見すると太いタイヤを履かせたロードバイクにも見えます

 今回のサイクリングには“グラベルバイク”を使いました。自転車の一種ですが、比較的新しいカテゴリーで耳慣れないかもしれません。

 グラベルロード=砂利道、未舗装の道を指します。グラベルバイクは、ざっくりと説明するとロードバイクのような車体に、太くてゴツゴツしたMTBみたいなタイヤを履いているイメージです。舗装路でも未舗装路のグラベルロードでも快適に走行できる自転車といったところでしょうか。乗り方次第ではどこでも走れてしまう自由さがあります。

 もちろんサイクリングはロードも気持ちがいいし、効率よく距離を稼げるのですが、狭い国道などで車に気を遣いながら車道を走るのはストレスです。せっかくグラベルバイクで走るなら、なるべくグラベル(未舗装路)率を上げたいのが心情です。

しなの鉄道 北しなの線「豊野駅」。ここから自転車と一緒に旅がスタート!

 そこで目をつけたのが「しなの鉄道 北しなの線」です。しなの鉄道は、長野県、沿線市町等が出資している第三セクターの鉄道会社です。北しなの線の長野県長野市「豊野駅」から新潟県妙高市「妙高高原駅」間の指定された列車が“サイクルトレイン”となっています。利用できる期間は、2026年4月20日(月)〜 11月30日(月)までとなっており、そのまま「えちごトキめき鉄道」のサイクルトレインにも繋がっています。

 ありがたいことに一人分の電車代で自転車を持ち込むことが可能なのですが、なんと自転車をバラして輪行袋に入れる必要もなく、そのままの状態で押して乗車できるのです! 若い頃に訪れていたスイスやスペインなどで自転車をそのまま車両に乗せられたことを思い出しました。

※ 時刻表や料金などは、しなの鉄道のサイトを参照してください。
https://www.shinanorailway.co.jp/news/da322b6e66b1cac674ef31e6d3dfc7d126a34f9a.pdf

■プロローグ:愛車を傍に、車窓の景色を楽しみながらの30分

妙高高原駅にて。電車を利用すると、つい旅愁に浸ってしまいます

 今回のルートでは、電車利用をスタート前とゴール後のどちらに設定しても良さそうでしたが、泥だらけの格好、自転車で乗車するのはさすがにマナー違反だと思いますので、スタート前に電車に乗って妙高高原駅へ向かうことにしました。

 当日、長野市内の自宅からサドルに跨り、50分ほどかけて豊野駅へと向かいました。愛車を傍に駅のホームに立っていると、つい緊張でそわそわしてしまいます。2両編成の車内はそれほど混んでいなくてほっとしました。鳥居川に沿うように緩やかに北上していきます。しばらくすると急に車窓の緑が近づいてきます。森のなか、木々の間を縫うよう抜けていきます。田植えが終わったばかりの山里の景色なども楽しみながらの約30分。あっという間でした。ちなみに車で移動した場合は一般道で約30kmあります。

 妙高高原駅で下車。降りたのは外国人のバックパッカーが一組いた他は、観光客たちでした。駅前のお土産屋さんで名物の“笹団子”を購入して、フレームに装着してあるバッグの隙間に忍び込ませ、ゆっくりとペダルを漕ぎだしました。