私事で恐縮ですが、奈良には行ったことがありません。そんな筆者ですが、京都出張が決まったため「帰りがけに初・奈良を体験しよう」とリサーチを開始。
1300年前に都として栄えた平城京の跡地は現在、平城宮跡歴史公園として広々とした公園に整備され、しかも自転車で走れるとの情報をキャッチしました。
そこで今回は、クルマ+自転車で旅をする“ゆる6”こと「ゆる6輪の旅」の第2回として、Tyrellのフォールディングミニベロで散策した古都・奈良をレポートします。
■宮殿の跡地を自転車で走っていいの?
古代日本の中心地であった奈良には、東大寺や春日大社、藤ノ木古墳などなど、日本の歴史を忍ばせる有名観光地が目白押しですが、今回ゆる6の旅で訪れたのは、1300年前の都である平城京です。
平城京は現在「平城宮跡歴史公園」として整備。1998年には「古都奈良の文化財」としてユネスコの世界遺産に登録されながらも、なんと敷地内で自転車が走行できるということに驚かされました。もちろん歩行者が最優先となりますが、サイクリストとして是が非でも走ってみたい!
■朱雀門ひろばからスタート
というわけで、タイレルのミニベロロードFCXを組み立ててやってきたのが、平城宮跡歴史公園の南の入口である「朱雀門ひろば」です。
藤原京から奈良へ西暦710(和銅3)年に遷都され生まれた平城京は、約4km四方・2,500ヘクタールの広さを誇り、10万以上の人が暮らしていたのだそう。
平城宮跡歴史公園は平城京の宮殿である平城宮の部分のみを公園化したもので、約1km四方と平城京全体よりはコンパクトですが、それでも東京ドームで例えると約28個分に相当する広さなのだそうです。
当時メインストリートだった朱雀大路の北に位置する朱雀門ひろばは、真っ平らの地面が広がるそっけない広場があるだけ。ですがこれは、当時の道幅である210大尺(約74m)を再現したもの。
現代の片側3車線の幹線道路の幅が30m程度なので、その倍以上の広大さをご理解いただけるはず。
平日だからなのでしょうか、地元の方々が散歩をしていたり、幼稚園生が遊んだりしているくらいでとても穏やか。ここを訪れる前に立ち寄った、世界中の観光客でごった返す奈良公園とは正反対の落ち着きぶりです。
静かにペダルをこいでいると想像がかき立てられ、「ここで千数百年前から人々が行き交っていたんだなぁ」と深く考えさせられます。
■宮殿の中を電車が走る
ミニベロとともに朱雀門の脇を通り抜け、平城宮跡へと進みます。
いよいよ平城宮を走れるぞ! と盛り上がった瞬間、眼の前に踏切が現れたので軽く動揺しました。1300年前の宮殿の跡地に鉄道が走っている不思議さ。
平城宮は政治や儀式の場である大極殿をはじめ、天皇の暮らす内裏、行政機能を集約した律令国家の心臓部。周囲には大垣がめぐらされ、その内部には朱雀門を始めとする12の門を通じて限られた人しか入ることができなかった場所です。
そんな特別な意味を持つ宮殿の跡地が、いまは公園として整備され、敷地内を電車が走り抜ける。
聖地ともいえる場所を無料で、しかもサイクリングまで楽しむことができるという現実に頭が追いつきませんが、園内は人も少なく想像以上に走りやすいです。