薩摩半島の最南端に位置する鹿児島県指宿市は、年間の平均気温が19℃という温暖な地域。温泉が豊富で市内各所に公衆浴場が点在し、天然の砂むし温泉があることでも知られている。半島の突端には日本百名山に数えられる開聞岳がそびえ、山の景色を眺めるビュースポットも豊富だ。九州最大の池田湖でも、SUPやカヤックなどの水上アクティビティを楽しみながらきれいな円錐形をした開聞岳を目にできる。

■池田湖はパワースポットの宝庫

指宿市のシンボルである開聞岳。池田湖からもその姿をしっかり確認できる

 はるか昔の火山活動によって生まれた池田湖は、周囲15km、水深233mという九州最大の広さを誇るカルデラ湖。非常に大きな湖には大ウナギが生息し、古くから竜神伝説があったり、幻の怪獣「イッシー」が目撃されたという話があったり、ロマンも秘めている。湖畔にはスワンボートやカヤック、SUPなどの水上アクティビティが体験できる施設が2か所あり、今回はその1つ、「池田湖マリーナWARNA」でSUPを楽しんできた。

池田湖のパワースポット「黄金の鳥居」を湖側から眺める。金運にご利益があるという
「剣岩」はたくさんの剣が重なっているような岩場。「剣によって厄を断ちきる」と厄払いの場とされてきた
2つの岩が並んだ「夫婦岩」。左が男岩、右が女岩

 モーターボートでSUPができるポイントまで運んでくれるのだが、パワースポット「黄金の鳥居」の近くを通ったり、鋭い岩が折り重なるような「剣岩」を鑑賞したり、移動しながら湖畔にある見どころを案内してくれる。また、2つの岩が並んだ「夫婦岩」は子孫繁栄や夫婦円満などのパワースポットだというが、岩が欠け、その岩肌が龍の顔に見えるようになったのだとか。

NHK大河ドラマ「篤姫」ロケ地となった新永吉の棚田

■いよいよSUPで湖に

風が強い日は風上の岩壁付近の水面が穏やかなのだという

 「今日は風があって水面が波立つから」と、なるべく風の影響を受けないポイントまで移動し、いよいよSUPに乗って湖に漕ぎだすと、あらためて池田湖の広さを実感できる。SUPは「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略で、その名の通りボードの上に立ってパドルを漕いでいく水上アクティビティ。とはいえ、最初はボードの上にうまく立てなかったので膝立ちで漕ぎ、揺れに慣れてきたら立ち上がって漕いでみる。

うまく乗れるようになると湖上を自由に移動できるようになる
遠くまで続く湖面と頭上に広がる青空が開放的で気分爽快

 パドルを水の奥までしっかり入れて漕ぐと、湖上をスイスイ進めるようになり風も感じられるようになってきた。SUPのボードはサーフボードより幅があるのでゴロ寝も最高で、そのままプカプカ浮かんでいると日常から解き放たれたような開放感がある。

池田湖で水上アクティビティをエンジョイ!