鹿児島県の南部に位置する指宿市は、海と山、そして湖などでアウトドアアクティビティを体験できる自然豊かなエリア。市の中央部には巨大カルデラ湖である池田湖が広がり、開聞岳を眺めながら水上アクティビティを楽しめる。水が豊富な環境から生まれた「回転式そうめん流し」や、南国ならではのトロピカルフルーツなど、指宿市の楽しさ&おいしさを堪能してきたので、その様子をお届けしていこう。
■池田湖で、爽快水上アクティビティ
指宿市の中央部に位置する池田湖は、直径約3.5km、周囲15kmとなる九州一の大きさを誇るカルデラ湖。ウエイクボードやバナナボード、SUP、さらに県内本土で唯一となるフライボードなど、さまざまな水上アクティビティが楽しめる。
湖畔にはアクティビティを体験できる施設が2か所あり、その1つである「池田湖マリーナWARNA」に今回はおじゃました。
体験した水上アクティビティは、ソファタイプの乗り物をボートで牽引する「ビッグマーブル」。座って乗るから安定感があり、ゆっくりしたスピードのときはクルージングしているような気持ちよさだ。景色を見渡すゆとりもあり、湖の広さや開聞岳の眺めをのんびり堪能できる。
だが、ひとたび速度が上がるとカーブの遠心力でボートは外側に押し出され、波に乗りあげて体が大きく傾いたりする。ときには引き波で大ジャンプもする絶叫系のアクティビティなのだ。
この時期(10月)でも寒さを全然感じず、水上アクティビティができるのは、南国の指宿ならでは。
池田湖には体長2mにもなる大ウナギが生息しており、市の天然記念物に指定されている。また、謎の巨大生物「イッシー」が存在しているとの伝説もあり、湖畔には背中にコブがあるというイッシーの像が設置されている。
2022年秋に湖畔にオープンした観光施設「IKEDAKO PAX(池田湖パクス)」は、そのイッシーのコブを模したデザインになっているという。池から見ると独特なフォルムをした建物の全容がよく分かる。
■回転式そうめん流し発祥の地「唐船峡そうめん流し」
池田湖の南西にある、唐船峡(とうせんきょう)は“回転式そうめん流し”発祥の地。この地域は市町村合併する前は開聞町というエリアで、当時の開聞町助役が湧き水を使った回転式のそうめん流しを考案したことがはじまりなのだとか。その後、回転式そうめん流しは広く知られるようになり、今では県内外からたくさんの利用客が訪れるようになったという。
そんな場所でそうめんが食べられる「唐船峡そうめん流し」は、市営と民営のお店があり、今回は市営の店舗を訪れた。施設は峡谷にあるため、駐車場からエレベーターで降りてお店に向かうというのがおもしろい。
峡谷まで下りると湧き水が流れているからか、地上よりも空気がひんやりしていて気持ちいい。谷間のような場所に建つ施設は天井が高くて開放的。丸いテーブルがいくつも並び、各テーブルに回転式そうめん流し器が置かれている。
まず食券を買うのだが、そうめん単品や定食などのメニューがあった。そこで今回は、適度にいろいろな料理が食べられる「A定食」を注文する。そうめんとおにぎり、マスの塩焼き、鯉こく、鯉のあらいがセットになった充実の内容だ。11月から2月までは、冬季限定でにゅう麵やぜんざいなどのあったかメニューも提供しているという。
席に着いたら、回転式のそうめん流し器の真ん中にざるに入ったそうめんをセット。食べる分のそうめんを水に流し、すくって食べる。地元産のかつお節をふんだんに使った手づくりの甘めのめんつゆとの相性は抜群で、どんどん箸が進む。また回転式のそうめん流し器は、器具のカラーがさまざまで、なかには光るものがあっておもしろい。
周囲を見渡すと、観光客だけでなく地元民も多く、家族や友人、恋人同士、なかには3世代ファミリーなどさまざまな利用者がいる。みんなでわいわい楽しめるのがそうめん流しのいいところなのだ。