■国道とは一体どんな道路?

雪に押され、すっかりひしゃげてしまった標識。国道であるのを確認できるだけの機能は残っていますが……

 筆者は職業上、山道には慣れていますし、日常的に狭い未舗装路などや林道も走行します。かなり状態の悪い国道も幾度も通行した経験がありました。しかし、今回のルートは“国道”としてはかなり衝撃的でした。

 そこで、あらためて国道の定義を調べてみると……。

道路法における道路は、1.高速自動車国道、2.一般国道、3.都道府県道、4.市町村道の4つに分類されています(道路法第3条)。
2.一般国道
高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成し、かつ一定の法定要件に該当する道路【道路法第5条】

※『国土交通省』道路についての定義・用語より

絶景ですが、いろいろリスクだらけの国道

 「一定の法定要件」という言葉が気になりますが、とくに道幅などについての決まりはなさそうでした。そうは言っても、主要な都市間を結ぶ幹線道路。一般的に国道と聞けば、最低でも基本的にはセンターラインがあって交互通行に問題がないようなイメージではないでしょうか。

■残念ながら? まだまだある! 有名“酷道”

国道352号線、銀山湖(奥只見湖)へ向かう「シルバーライン」のトンネル内。素掘り部分がまだ多く残っています。また湖岸にはいくつも「洗い越し」もあります

 学生時代(今から30年以上前の話です)に四国、国道439号線を走っていたときに、あまりの“悪さ”に辟易した記憶があります。

 調べてみると、通過するのに過酷な国道は、“国”と“酷”の音をかけて「酷道」と呼ばれるそうで、そのランキングを掲載していたり、走行レポートを掲載しているウェブサイトもいくつかありました(今回のルートもランキング上位に入っていました)。

・国道439号線:四国山地を縦貫して徳島市と四万十市を結ぶ。「ヨサク」の愛称!? 総延長約350km。
・国道425号線:三重県尾鷲市から奈良県吉野郡十津川村を経由し、和歌山県御坊市に至る。語呂的にも不気味な「シニゴー」。
・国道418号線:福井県大野市から長野県飯田市に至る。「キングオブ“酷道”」の異名。

 とにかく、どうやら号数3桁、とくに400番台は警戒した方が良さそうですね。他にも国道152号線(長野県上田市〜静岡県浜松市)や国道157号線(石川県金沢市〜岐阜県岐阜市)なども有名ですね。当然かもしれませんが、山間部、峠越えするようなルートは要注意です。ちなみに過酷で険しい、危険度が高い県道は“険道”と呼ばれているそうです。

 全国には数多く酷道があるようです。なかには“廃道”になっている区間があるという、理解に苦しむような国道もあるそう。国土交通省と地方行政の思惑の“すれ違い”が原因でしょうか。

 いずれにせよ一般車両の通行が許可されているわけですが、落石や土砂崩れ、野生動物との不幸な遭遇も多そうです。普段はドライブルートをついナビ任せにしてしまいますが、目的地にスムーズに到着するためにも、酷道を避けるようにした方がいいでしょう。