2023年1月下旬、日本列島に記録的な大寒波が直撃しました。降雪中や低温下のドライブでワイパーが凍りついて視界不良、前方が見えなくて怖い思いをした人もいるのではないでしょうか。視界が悪い中、運転するのは大変危険です。安全なスノードライブをするために一役買ってくれるのが、スノーワイパーと寒冷地用のウォッシャー液です。

■激しい風雪下ではノーマルワイパーは役立たず

ノーマルワイパー。ウォッシャー液も不凍能力が低いもの。フロントガラスが凍りつき、あっという間に視界が悪くなってしまう

 ニュースでもしきりに今シーズン最強の寒波の到来と大雪の予報が報じられていた当日、長野県北部に住む筆者は、白馬村で知人と待ち合わせをしていました。朝方は弱いながらも日差しの届く穏やかな空模様。関東方面よりやってきた知人のレンタカーはノーマルワイパーです。「スノーワイパーじゃないの?」と尋ねると「何それ?  今まで必要を感じたことがない」とのこと。

宿泊先で一晩経ったノーマルワイパー。完全に凍りついている
走行中に凍りついてしまったノーマルワイパー

 しかし昼過ぎから降雪の勢いは急激に強まり、強い風と共に雪が吹きつける過酷な状況となりました。ノーマルワイパーは最初こそ機能していましたが、凍り始めると瞬く間に使いものにならなくなってしまいました。駐車スペースを見つける度に車を停めてワイパーの氷を取り、フロントガラスをスノーブラシでクリアにする作業を繰り返すことになっていました。「(見えないのは)スリップするより怖い」と言っていました。

 ただでさえ積雪や凍結した路面は滑りやすいのに、視界が悪い状態では危険度が格段に高くなってしまいます。雪に埋まって見分けづらい、側溝などへの脱輪事故も多く見受けられます。刻一刻と変化する路面状況を見極めるためにも視界を十分に確保するようにしましょう。

■クリアーな視界を保つために! スノーワイパー

路面の積雪や凍結具合の確認、道路脇の側溝や前方の危険物などを避けるためにはクリアな視界が重要です

 車のタイヤに雪道用のスタッドレスタイヤがあるように、ワイパーにも雪用の「スノーワイパー」なるものがあることをご存知でしょうか。簡単に表現すると、ブレード(拭き取り部分)のラバーが低温下でもしっかりと機能してくれる材質で、シリコンやグラファイトタイプ・撥水タイプなども増えてきており、バリエーションも豊富です。ワイパーの金属の部分がラバー素材で覆われたものが主流です(構造が異なるモデルもあり)。

宿泊先で一晩経ったスノーワイパー。そのまま走行しても機能面ではまったく支障はなかった
凍りにくいブレード。ラバーで覆われたスノーワイパー

 スノーワイパーなら降雪中や低温下でも凍りにくい(絶対に凍らないわけではない)ので、クリアな視界を保つために効果を発揮します。雪国へのドライブには欠かせない存在です。とくに冬の高速道路(冷えて凍りやすい。途中で停車して処置できない)では必須アイテム。一般道に比べてスピードが格段に速く、途中で停車することも困難な高速道路上では命を守ることにもつながります。

 フレームがラバーで覆われているモデルは、そのラバーがかなりデリケートなので、スノーブラシで積もった雪を落とす時は一度ワイパーを上げるなどして、傷付けないように。破れてしまうと、そこから入った雪や水分が凍って機能しなくなってしまいます。