NSD(日本スキー場開発株式会社)は、長野県に6か所、群馬県に1か所、岐阜県に1か所の計8つのスキー場を運営。スキー場運営会社としてはめずらしく、スキー・スノーボードなどの選手をサポートし、アスリートの支援を通じてスポーツ文化の発展や、幅広い層がスキー・スノーボードを親しむ裾野拡大にも取り組んでいる。

 そのサポート選手のスキーヤー・スノーボーダーと、キッズプログラムアンバサダーを務めるベテランが一堂に会し、残雪の春、長野県の「つがいけマウンテンリゾート」と「白馬八方尾根スキー場」を滑りながら交流を深めた様子を紹介していきたい。

■異なる分野の世界に触れて刺激を受け合う

なかなか顔を合わせる機会が少ないメンバー同士だが、雪山で過ごしていると自然と会話がはずむ

 NSDではスキーヤー・スノーボーダーをさまざまな形で支援しており、オリンピックやワールドカップで世界の頂点を目指す、若いアスリートによる3人の選手を「パーソナルスポンサー」として支援。さらに、今後のスポーツ界で活躍することが期待できる若いアスリートを3人を「ネクストアスリート」として支援している。

 そして、NSDでは、ファミリーがもっと気軽にスキー場に来られるような取り組みとして、自社運営のグループスキー場と、パートナースキー場の共通シーズン券を子どもに提供している「NSDキッズプログラム」を展開。その「キッズプログラムアンバサダー」として、オリンピアンや人気ライダーなどで構成された6名のスキーヤー・スノーボーダーがいる。

交流会の初日は「つがいけマウンテンリゾート」をみんなで滑走。バンクやスノーパークを楽しんだ

 2026年開催のミラノ・コルティナ冬季五輪出場を目指す10代、20代の若手選手と、オリンピック出場経験のあるアンバサダー陣が交流することで、若手は試合や練習における心構えなどを学び、ベテラン勢は新たな気づきが得られる。そんな相乗効果を期待して、1泊2日で白馬エリアの2つのスキー場を日替わりで滑った。

 参加したサポート選手は総勢10名。これほどたくさんのメンバーが一気に集まり、交流を深める機会はこれまでなかったという。

現役アルペンレーサーも、ハーフパイプ競技の五輪メダリストも一緒くたになって、さまざま斜面を体験
2日目の「白馬八方尾根スキー場」では山頂部の整地を滑走。モーグルで活躍したアンバサダー2名はこのあとコブで技を披露してくれた

 アルペン、モーグル、ハーフパイプ、スロープスタイルなどさまざまなジャンルで活躍するスキーヤー・スノーボーダーの集まりなので、春の悪雪でも攻めた滑りを見せたり、スノーパークのキッカーやジブでスタイルたっぷりのメイクを決めたり。モーグルコースではダイナミックなエアの技に歓声が湧くなど、スキー・スノーボードの幅広さ、楽しさを知るよい機会に。自分とは異なる分野の競技に触れることで、お互いに刺激を受け合っている雰囲気だった。滑りのスタイルは違えど、みんな雪山は好き。これだけは誰もがもつ共通の気持ちだろう。

NSDが展開する事業

■夜はシャレーで食事&歓談を楽しむ

夜は食事を共にしながら語り合い心の距離をより縮めていく

 夜は、白馬村にある貸し切りのシャレーに滞在し、リビングに集まってみんなで食事を楽しんだ。それぞれ忙しい冬を過ごしたことをねぎらい、「シーズンお疲れさまでした!」の挨拶で乾杯。

 テーブルにずらりと並んだ料理やドリンクを楽しみながら歓談し、最初のうちは、「このお肉おいしいから食べなよ」なんて、たわいのない会話で盛り上がっていた。それが次第に、スキー・スノーボード業界について語り合うようになり、悩みを打ち明けたりアドバイスをしたりと、深い内容へと変わっていった。同じ業界で活躍する者同士だからこそ話し合える、よい機会の場になったのかもしれない。

オリンピアンの橋本通代(右)、星野純子(左)の2人に挟まれているのは、中学生のプロボーダー北山博仁。ミラノ・コルティナ冬季五輪出場を目指す期待の若手だ
アスリートが多いからか、用意された食事は品数が多くてボリューム満点
NSDが行なっているアスリート支援

■子どもに滑りの楽しさを伝えるキッズプログラムアンバサダー

6名のスキーヤー・スノーボーダーがキッズプログラムアンバサダーを務めている

 「NSDキッズプログラム」では、子どもたちにスキー・スノーボードを好きになってもらい、大人になってもスキー場に遊びに来てもらいたいという思いから、国際大会出場選手やメダリストなどと一緒に滑るイベントも開催している。そのイベントで一緒に滑ったり指導したりするのが「キッズプログラムアンバサダー」だ。

 今回の交流会では、そのアンバサダー6人が揃っているため、食事の後にNSDスタッフを交え、アンバサダー同士のカンバセーションが行なわれた。