■美味しい食事で癒されよう

夕食のカレーは6種類の味から好みのものを選ぶことができる
朝食はキノコリゾットとミネストローネ

 夕食は松本市のカレー店「印度山」「メーヤウ」「こーさんのうち」「がねいしゃ」など、名店の味を再現した6種のレトルトパウチから好きなものを選べるようになっている。スパイスをふんだんに使った個性的なものから、マイルドなビーフカレーまで用意されているので、きっと好みのものが見つかるはずだ。スパイスでピリッとした舌をデザートのプリンが優しく包んでくれる。

 そして、朝食にはリゾットが出てきて驚いた。副菜のミネストローネも絶品で寒い朝にうれしい。食後は淹れたてのコーヒーでほっとひと息、と本当に山小屋なのか疑わしくなるような豪華さだ。山小屋のスタッフ兼ガイドの「あいさん」は明るく朗らかで、話しているだけで温かくほっとする人柄で心地よい。快適な小屋や美味しい食事だけではない冬季の「鉢伏山荘」の人気の秘密がよく分かった。

■翌朝は山頂で富士山を見よう

翌日は雲ひとつない快晴
鉢伏山山頂からは富士山と諏訪湖が一望できる。富士山の右手には南アルプス

 翌朝は雪が固く締まっており、とても登りやすかった。小屋から山頂までは約15分。風が吹くとかなり寒いので、防寒をしっかり準備して向かおう。山頂にある展望台からは、諏訪湖の奥に富士山と南アルプスが見える。西側には北アルプスとかなり贅沢な眺めだ。展望台の階段は滑りやすいので注意。山頂の東側には木があるため、日の出を見たい場合には山頂よりも手前側がおすすめだ。

中央左側の山は松本市のシンボル「常念岳」

■下りも慎重に!

山頂にある展望台

 山頂からの景色と朝食を堪能したらゆっくりと下山しよう。急な尾根は下りの方が滑りやすく危険なので、帰り道も油断はできない。複数人の場合には歩行間隔を開けるなどの配慮も必要だ。

 鉢伏山は往復6時間ほどなので日帰り登山でも楽しめるほか、予約が取れれば鉢伏山荘で1泊できる。積雪量によってコースタイムや難易度は変わるので、天候などの情報収集は必須だ。チェーンスパイク・軽アイゼンで行ける山ではあるが、本格的な冬山装備をしっかりと準備して臨もう。

 

【牛伏寺ルート】所要時間
登山者駐車場(0:00)→ 牛伏寺砂防ダム登山口(0:10) → 横峰分岐(2:10) →
鉢伏山荘(2:55)→ 鉢伏山山頂(3:16)→ 鉢伏山荘(3:32) → 横峰分岐 (4:07) →
牛伏寺砂防ダム登山口(5:42)→ 登山者駐車場(5:49) 
合計所要時間:5時間49分
※積雪期は雪量によってコースタイムが異なるので注意

鉢伏山登山者駐車場までのアクセス
松本ICから車で約40分
塩尻北ICから車で約20分
村井駅(最寄り)から車で約20分

冬期鉢伏山荘(長野県岡谷市)
宿泊定員7名、7〜10名まで貸切可能
1月〜3月は土日のみ営業(連休の際には月曜も営業、金曜は4名以上なら宿泊可)
1泊2食 12,000円

鉢伏山荘冬期オンライン予約:https://select-type.com/rsv/?id=aN_XTAdQN7w&c_id=305387

●【MAP】鉢伏山手前駐車場 

Googleマップ上「閉鎖」との記載があるが、所有者の牛伏寺から「登山者用の駐車場としての利用許可」が得られています(2025年3月時点)。牛伏寺参拝者用駐車場とは異なるので要注意。