暖かかった秋ですが、ようやく冷え込みが厳しくなってきました。この時期、とくに標高の高い山では風雪を伴って大荒れになることもあります。休日に登山の計画を立てていても、あいにくの荒天で計画を断念することもあるかと思います。そんなとき、街から近くアクセスもいい、安心して登れる山や登山プラスαの要素が楽しめる場所を候補に入れておくと、有意義な時間を過ごせるかもしれません。

■頂に岐阜の天守閣を冠した金華山

ビルの向こう、金華山の頂に輝く天守閣は遠くからでも目を引きます

 岐阜県岐阜市、県庁や岐阜駅からも近い「金華山(きんかざん)」は標高約329m。山頂部までロープウェイも架かっており、地元なら誰しもが知っているような観光地でもあります。

 この山を特徴づけている一番の理由は山頂部に建つ岐阜城の存在でしょう。三層四階となっている天守閣は、遠くからもひときわ目立っています。昭和31年に復興されたという岐阜城は、かつては戦国武将・斎藤道三や織田信長の居城として名を馳せてきました。金華山一帯が、岐阜城跡として国の史跡に指定されています。

 木曽川長良川に挟まれた小高い丘のような山ですが、登山ルートがいくつもあって人気の高さが伺えます。今回は岩場が続き、一番難易度が高い“馬の背登山道”から登ってきました。

■ひたすら岩場が続くハードなルート! “馬の背登山道”

人気のルートだけにしっかりと道普請されています
開けた「丸山」には、“めい想の小径”と“馬の背登山道”の分岐があります

 公園の遊具の脇を抜け、舗装されたスロープから階段へ。そして、登山道へと足を踏み入れます。いきなり始まる山道は幅広く、つづら折りで緩やかに斜面を登っていきます。

 “めい想の小径”と分かれ、“馬の背登山道”からは状況は一変! 一気に歩きにくくなります。やがて樹間から岩場が見えてきました。何人か上から下ってくる登山者をやり過ごして、ゆっくりと登っていきます。この岩場ですが、とにかく長く続きますので覚悟して臨んでください。ルート上には木の根が張り出していて、下りで利用する際にはとくに注意が必要かもしれません。

“馬の背登山道”の岩場はとにかく長く続いていきます
岩場の間には木の根が張り出しています。濡れているときはさらに注意が必要でしょう

 途中ロープウェイを見送ったり、振り返って長良川のゆったりとした流れを眺めたりしつつ、適宜休憩を入れながら登っていきました。「ほぼ毎日登っていますよ」という年配の女性や近所にお住まいの常連の男性など、思っていた以上に登山者は多くいました。

 ちょうど岐阜城への入り口のそばに出ます。ここで登山は終了、ロープウェイで上がってきた観光客たちに混ざって舗装された道から仰ぎ見る天守閣は威風堂々として迫力があります。

“馬の背登山道”を登り詰めると、ちょうど天守閣の前に出てきます