岐阜県中津川(なかつがわ)市は、城跡や宿場町の古い町並みが残る、見どころが多いエリアだ。また、中津川市に隣接する長野県の「妻籠宿(つまごじゅく)」も江戸時代の風情を残す宿場町として人気が高い。

 今回は、中津川エリアと妻籠宿を1日でめぐった体験を見どころとともにレポートする。

■名古屋から中津川エリアへのアクセスと日帰りルート

 名古屋から車の場合、東名高速道路を利用し、小牧JCTから中央自動車道で中津川ICを降りる。名古屋から1時間ほどで中津川エリアに到着する。電車の場合は、名古屋駅からJR中央本線で1時間半ほどで中津川駅に着く。

 なお、名古屋から中津川までの道路は混み合うことが多いため、車で行く場合は時間に余裕を持って行くことをおすすめする。

【名古屋からの日帰りルート】所要時間
名古屋→(車で約1時間)→苗木城跡【滞在1時間】→(車で約30分)→馬籠宿【滞在1〜2時間】→(車で約20分)→妻籠宿【滞在2〜3時間】→(車で約1.5時間)→名古屋
合計所要時間:7時間20分〜9時間20分

■中津川エリアの絶景を望む「苗木城跡」

巨岩が使われた石垣が残る、苗木城跡・天守跡の展望台

 「苗木城(なえぎじょう)跡」は、標高432mの山頂にある国指定史跡である。戦国時代に築かれた苗木城は岩山の上にあり、自然の地形を有効利用して天然の巨岩を石垣に取り込んだ、全国でも珍しい山城だ。

 天守跡の展望台からの景色は360度の大パノラマが広がり、恵那山(えなさん)や市内を東西に流れる木曽川(きそがわ)が望める、岐阜県でも有数の絶景スポットである。 2018年に出版された『日本の城ベストランキング』(晋遊舎)の「山城部門」で1位に選ばれるなど、山城ランキング上位常連となっている。

 寒暖差のある秋から冬の早朝は、運がよければ雲海が見られる。筆者は日中に訪れたため見られなかったが、澄み切った青空の下、中津川エリアの絶景を楽しめた。

苗木城跡
住所 〒508-0101  岐阜県中津川市苗木

ホームページURL:https://www.city.nakatsugawa.lg.jp/kanko/miru/1/3753.html

●【MAP】苗木城跡

■坂の宿場町と見晴台の景色が楽しめる「馬籠宿」

石畳が敷かれた、馬籠宿の町並み

 「馬籠宿(まごめじゅく)」は、山の尾根に沿った急斜面に位置する「中山道(なかせんどう)」の43番目の宿場町だ。中山道は、江戸時代に整備された江戸(東京都)から京都まで続く約530kmの街道で、69か所の宿場が置かれていた。

 明治・大正・昭和時代にかけて活躍した文豪・島崎藤村(しまざきとうそん)の出生地でもある。宿場内の「藤村記念館」では、馬籠宿を舞台とした歴史小説『夜明け前』などの作品原稿が展示されている。

馬籠見晴台から望む山々の景色

 馬籠宿の駐車場横には大きな土産店がある。街道の両側にも多くの土産店や茶屋などが並び、賑わいを見せている。馬籠宿入口からはずっと登り坂のため、少々息が上がった。宿場町を抜けた先の「馬籠見晴台」からは、恵那山をはじめ大自然の絶景が広がり、時折涼しい風が通り抜ける。

 馬籠の次の宿場町、妻籠宿までは約9kmで、徒歩で2.5〜3時間ほどだ。ハイキングコースとして人気が高い。

 なお現在、馬籠宿から妻籠宿までのハイキングコースの一部が通行止めや通行注意となっていて、看板やロープ・迂回路があるので注意が必要だ。

馬籠宿
住所 〒508-0502  岐阜県中津川市馬籠

ホームページURL:https://kiso-magome.com/

●【MAP】馬籠宿

■江戸情緒あふれる「妻籠宿」

江戸時代の風情が残る、妻籠宿

 妻籠宿は中山道42番目の宿場で、全国で初めて古い宿場の保存活動を行った場所として知られる。山深い木曽路にあって、江戸の風情が残る古い町並みが続く。長野県塩尻市から愛知県岡崎市までを結んだ「伊那(いな)街道」と交差する地点でもあり、古くから栄えていた。

 宿場内は、島崎藤村の家系が代々営んだ宿もあり、見どころが多い。馬籠宿と比べると土産店などは少ない印象だが、落ち着いた雰囲気が味わえる。

妻籠宿
住所 〒399-5302  長野県木曽郡南木曽町吾妻

ホームページURL:https://tsumago.jp

●【MAP】妻籠宿

■中津川の秋の風物詩「栗きんとん」

中津川名物の栗きんとん

 中津川市の秋の風物詩は「栗きんとん」だ。栗きんとんと聞くと、おせち料理に入っている栗の甘露煮に餡を絡めたものを思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし、中津川の栗きんとんは、栗と少量の砂糖を合わせて炊き、茶巾絞りで形を整えた和菓子である。中津川市周辺は上質な栗の産地で、収穫時期になると市内の和菓子店にはこだわりの栗きんとんが並ぶ。

 筆者はこの栗きんとんに目がない。一口食べれば上品な栗の甘さが口いっぱいに広がる。裏ごしされた栗きんとんがホロホロと口の中で崩れ、時折感じる栗の粒感がよいアクセントになっている。

 栗の収穫時期にしか販売しないお店も多いため、秋の季節に楽しんでほしい味覚だ。

■秋の中津川エリアは魅力がいっぱい

 中津川の見どころや妻籠宿、秋の風物詩の栗きんとんについて紹介してきた。ぜひ、魅力いっぱいの秋の中津川エリアと妻籠宿を訪れてほしい。

 

※この記事の情報は2024年10月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。