■目からウロコの益子焼ナイト
食後はフロント前のスペースで「ご当地楽」に参加。ご当地楽とは、界がそれぞれの宿で行っている、伝統工芸、芸能、食などを満喫できるおもてなしのこと。界は全国22ヵ所に展開する星野リゾートの温泉旅館ブランドだ。
ここ鬼怒川では、益子焼の特徴や歴史、器の楽しみ方を教えてくれる「益子焼ナイト」を開催している。
まず、豆皿ギャラリーから、好きなお皿を3枚選ぶ。並んでいるお皿全てが益子焼というわけではないので、どれだけ益子焼の目利きなのか、という判断にもなる。
私が選んだものは、3枚とも益子焼だった。益子焼の青い釉薬は、一番好きな色なので、益子焼とは相性がよいのかもしれない。ちなみに駅弁「峠の釜めし」の器も益子焼である。
最後に、益子焼でできた縦笛と、ロビーに飾られていた壺を太鼓としての演奏会。これが大変よかった。器としての役割だけでなく、こんな使われ方もあったとは。目からウロコだった。
翌朝、早起きして部屋の露天風呂に浸かってから朝食に向かった。
朝食は、中庭に面するカウンター席でいただいた。秋には紅葉が見事だという。私は食べられないものがほぼないのだけど、納豆はちょっと苦手。
そういうわけで、通常は納豆が出るところを、ニシンの甘露煮にしていただいた。
こちらのチェックアウトは12時。朝食後、部屋に戻ってくつろいだり、温泉に入ってのんびり時間まで過ごす人が多いという。いつまでもここにいたい気持ちは、泊まってみてよくわかった。私は9時にチェックアウトしてしまったが、改めてゆっくりと来てみたい。
2023年7月15日には、東武鉄道に浅草〜日光・鬼怒川間をむすぶ新型特急「スペーシアX」が登場する。「X」の書体デザインは、地域を意識し、栃木県の伝統工芸品に指定されている鹿沼組子をイメージしたという。まさに界 鬼怒川のコンセプトにも近い。
今度はスペーシアXに乗って、界 鬼怒川で身も心も緩めてくれる「非日常」を過ごしてみたいと思う。