■料理がしやすく、気温や環境変化に左右されないもの
キャンプ料理の代表的な調理道具といえば、ダッチオーブンだろう。昔からあるのは、厚みのある鋳鉄製で、蓄熱性が高く、熱伝導が良い。そういう特性を持っているので、料理を作る際の熱ムラが少ない道具だ。
室内と違ってアウトドアでは天候、雨、気まぐれな風によって気温がどんどん変わる。その温度変化に左右されにくいもの、熱ムラが少ないものを選ぶと、自ずと厚みのある鋳物をはじめ、鉄板、ステンレス、アルミになる。
環境変化が著しいアウトドアで使う調理器具とはいえ、本来はプロの料理人が使う道具と同じ方がいいとは思う。しかし、実際にはアウトドア用、キャンプ用という曖昧なイメージばかりが先走り、『軽く、コンパクト』なこと、そしてかっこいいデザインばかりがもてはやされがちだ。
これは、なんともおかしな話だ。自分は料理しづらい道具は選ばない。これでは、料理や片付けの苦労が増え、アウトドア料理が敬遠されるのも無理のない話だと思う。
ホットサンドメーカー選びにおいても、自分の場合、同じような基準で選んでいる。焚き火を中心にさまざまな火種で料理をするため、丈夫で火種を選ばず、使い勝手の良い厚めの鋳鉄製を好んで使っている。
愛用しているのは、南部鉄器の老舗が作る「OIGEN(オイゲン)」のもの。上下分割できるところが好みで、それぞれフライパンのように使えるのもいい。
人によりモノ選びの優先順位は違うし、考え方だって違う。「人気だから」「流行っているから」という理由だけで選ばず、自分が使ってみたい気持ち、使いやすさを優先に道具を選んだっていい。アウトドア料理を手軽にするカギは、調理道具選びが握っている。