車中泊というと、「狭い車内で無理して眠る」というイメージが強いかもしれない。じつは、私もそう思い込んでいたのだが、マイカーを購入してから認識が一変した。

 車の知識はほとんどなく、運転にも不安があった私だが、今では毎週のように車中泊を駆使して登山を楽しむようになった。これから車中泊をしたいと考えている人に、少しでもヒントになればと思い、私の体験を書いていく。

◼️車中泊する場所は、道の駅か登山口

上手に車中泊を使えば、週末だけの休みでもかなり遠くの山に登ることができる

 私の車中泊は、いつも金曜日から始まる。

 会社員として週5日働いているけれど、金曜日は自宅でリモート勤務。我が社はフレックスタイム制なので、15時15分を過ぎれば退勤してOKだ。

 ただし金曜日は、夕方から道が混み始める。中央道や東名高速は、21時ごろにならないと空かないことが多く、出発はだいたいいつもそのくらいの時間になる。道が空いたのを確認してから、ようやくエンジンをかける。

 車中泊をする場所は、道の駅か登山口のどちらかが基本となる。

 まず道の駅は、人里にあって電波もトイレもある。場所によっては食事処や温泉まであって(夜中に着くので利用できないことが多いけれど)、とにかく安心感がある。ただし、車中泊が禁止されていないかの事前確認と、マナーを守ることは欠かせない。早朝や夜中に登山口まで移動しなければならないというデメリットもあるが、途中でコンビニに寄ったり、朝に温かいコーヒーを買ったりできるのは、ちょっとした楽しみでもある。

限られた休みをいかに利用して山に登るか、そのノウハウは初の著書『日本で山登りはじめました。(KADOKAWA刊)』にも書かれている

 私は、道の駅よりも登山口で車中泊をすることが多い。朝が弱い私にとって、起きてすぐ登れるのはなにより楽だからだ。ただ、真っ暗で電波やトイレがない場所も多く、誰にでもおすすめできるわけではない。とはいえ、人気の登山口で設備が整っている場所なら、安心して泊まれるし、心からおすすめできる。

 また、仕事に疲れた金曜日の夜は、どうしても移動中に眠気に襲われることがある。そんなときは無理をせず、SA(一般道なら道の駅)に車を停めて、そのまま眠ることもある。

◼️気をつけるべき、安全対策

 私は女性1人のことが多いので、注意すべきことも多い。

 もちろん、男女問わず、安全対策はしっかり行うべきだと思う。まず、登山届とともに、友人に行き先と車中泊先を伝えておく。次に車のドアは内側からロックし、寝ている自分が外から見えないよう、内側にカーテンをかけるのも大切。おすすめは、簡単に取り外しできるタイプ。夜中にバタバタして面倒に感じることがあるので、手軽さはポイントだ。

◼️ズボラ流・車中泊の寝床公開

フルフラットにした車内に布団を敷いた状態

 私はかなりズボラで、何事も楽に済ませたいタイプ。車中泊も例外ではなく、できるだけ手間をかけずに寝られるようにしている。

 車はフルフラットになる車種を選んだ。後部座席を倒して長く平らな空間を作り、その上に布団を敷き、枕を置けば寝床の完成だ。布団の少し長さが余る部分は、上側を折り曲げて枕代わりにしている。

移動時は布団を丸めて後部座席を上げるだけ

 車中泊でシュラフを使う人も多いけれど、私は布団派。理由は、できるだけ自宅に近い寝心地にしたいからだ。掛け布団は季節ごとに使い分けている。夏はニトリのひんやりするタイプ、少し涼しい時期は軽めのタイプ、寒い時期には暖かい掛け布団と毛布をセットで使う。