■定番ウェットフライが大当たり! スリリングなスイングの釣り
日が少し高くなると気温は11℃台まで上がり、厚着をしていることもあって寒さはそれほど感じません。サングラスをしていても眩しい低い日差しに、目を細めながら釣りを続けます。水温も11.4℃となり、暖かかった秋を思い出させてくれるような陽気です。
昼近くになると、徐々に濁りが混ざってきました。五竜の滝すぐ下流で合流する支流が濁っています。それでも、合流点に近いプールの対岸(左岸)は濁らずに透明度を保っていました。流れに揺れるニジマスたちを眺めながら、微妙に立ち位置を変えながらフライを流し続けます。
スイングさせたフライにゴツゴツとした感触がありました。結んでいたのは、“ハーディーズ・フェイバリット”。アトラクター的なものやニンフを中心にフライボックスに入れていたのですが、お守り代わりに片隅でくすぶっていた定番ウェットフライです。
力強くラインを引き、激しく抵抗するニジマスは先ほどまでの魚よりずっと大きいです。手前の流れの濁りのなかに招き入れ、視界に筆者が入らないように岸際まで寄せてきてネットのなかへ。極太のニジマスで陽光に燦々と煌めく魚体は健康的で透明感がありました。
少しずつ釣り下り、同じくらいのサイズのニジマスをさらに2本追加できました。見えているなかには、もっと大きい魚もいます。しばらくすると、ふたたびアタリがあります。かなりの大物のようで、プールの下流端まですさまじいダッシュで走られ、ジャンプ&ヘッドシェイク。その迫力に圧倒されていると、6Xのティペットはリーダーとの結束部から切れてしまいました……。
午後になって徐々に濁りが取れてきたのも束の間、また濁りが濃くなってきたので終了としました。
今回釣りをしたのは釣り場全体でいうと、上流部のほんのわずかな区間だけでした。魚影も濃く、釣り人も程よく入っていたこともあってあえて移動しなかったのです。実際はそこから下流へ約3kmもある長い釣り場です。(魚影、混雑具合も含めて)状況がわからず行かずじまいでしたが、実はもったいないことをしたのかもしれません。次回は下流部でも釣りしてみたいものです。再訪を胸に流れを後にしました。