秋になると、本州の多くの一般河川での(トラウトを対象とした)釣りが禁漁時期となります。それに代わるタイミングで、ニジマスを対象とした冬季釣り場が増えてきています。また、ほとんど一年中渓流釣りが可能なキャッチ&リリース区間が設けられている場所もあります。栃木県の川治温泉を流れる鬼怒川(きぬがわ)と男鹿川(おじかがわ)の「川治温泉キャッチ&リリースエリア」は、遊漁期間が3月21日〜2月28日で、ほぼ一年中渓流釣りが可能です。
見頃になりだした色鮮やかな紅葉と渓谷美を堪能しつつ、温泉と釣り、さらに名物のローカルフードを堪能してきました。
■秋の彩り! 風光明媚な川治温泉
栃木県北西部、「川治温泉」は鬼怒川と男鹿川が合流する峡谷に開けた温泉郷です。中心を流れる男鹿川沿いの遊歩道は河原へと続く階段も随所にあります。その区間に「おじか・きぬ漁業協同組合」が管轄する「川治温泉キャッチ&リリースエリア」が設定されています。
栃木県の中心部、宇都宮方面から国道121号線を北上すること1時間ほど。峡谷に沿って向かう道すがら、山々の斜面は紅葉に彩られており、快適なドライブ日和でした。温泉街に到着して川を覗くと、すでに何人か釣り人が竿を出しています。ルアーとフライフィッシングが半々くらいの割合でいるようでした。
おじか・きぬ漁業協同組合:
http://ojikakinu.web.fc2.com/index.html
■シビアなコンディションで釣れた嬉しい一匹
水量はずいぶんと落ち着いており、ポイント探しの河原を歩きは快適ですが、その分魚たちの反応がシビアになっていそうで心配です。
まずは流れのなかに入っているニジマスを狙うべく、流心に沿ってフライを流していると確かなアタリがありました。ふたたび同じように流すと、今度はうまくフッキングしました。元気よく抗う魚をバラさないように慎重に手元に寄せて無事にキャッチ。40cmほどのイキのいいニジマスがネットに収まりました。
幸先のいいスタートに喜びながら、浅い瀬から深い淵のなかをくまなく探っていきますが、なかなか魚信が得られません。伸ばしたフライラインが、暖かく穏やかな秋の日差しに輝く様が気持ちよく、すっかり夢中で釣りを続けます。ロッドを振る手を休め、ふと時計を見るとお昼を過ぎていました。