秋になると渓流釣りはオフシーズンです。本州の多くの一般河川での(トラウトを対象とした)釣りが禁漁になります。それに代わるタイミングで、ニジマスを対象とした冬季釣り場が増えてきていますし、ほとんど一年中渓流釣りが可能なキャッチ&リリース区間が設けられている場所もあります。
紀伊山地、奈良県天川村を流れる「天の川(てんのかわ)」に設けられた“冬季ニジマス管理釣り場”は、今年も10月1日から営業を開始しています。色鮮やかな紅葉が演出する渓谷美もちょうど見頃となっており、紅葉狩りと一緒に楽しんできました。
■鮮やかに彩られた「みたらい渓谷」で楽しめる、オフシーズンの釣り
天川村の“冬季ニジマス管理釣り場”は営業形態こそ管理釣り場ですが、ロケーションは自然渓流そのものです。岩壁を刻むように流れる澄んだ水は非常に透明度が高く、関西では数少ないオフシーズンの渓流釣りを楽しめる場所となっています。
釣り場となる天の川は十津川、熊野川の上流域に緩やかに蛇行する川です。山あいを曲がりくねる道をひた走り、天川村役場のすぐそば、釣り場の受付となる漁協の事務所に到着しました。ここで必要事項を記入して遊漁料を支払います。
冬季に釣り可能なエリアは、ここから3kmほど上流です。ちなみに腕章は要返却ですので、時間に余裕をもって戻りましょう。紅葉の時期は釣り場周辺がとくに混雑するので、漁協の受付で駐車場所などの情報を仕入れてから移動するのがいいでしょう。
【天川村・冬季ニジマス管理釣り場】
2024年10月1日(火)〜 2025年2月25日(火)
大人:3,000円、中学生:1,500円、小学生:1,000円 女性は半額
エサ釣りは認められておらず、ルアー、フライフィッシングとテンカラ釣りに限られた、キャッチ&リリースの釣り場となっています。他にもシングル、バーブレスフック使用などのルールがありますので、詳しくは漁協のHPを参照してください。
天川村漁業協同組合:
https://tenkawagyokyou.jimdofree.com
■しっとりとした秋の彩りと渓谷美! 透明度が高い流れに大型のニジマスが泳ぐ
釣り場のある“みたらい渓谷”は、紅葉の名所として有名な場所です。11月中旬の取材時はあいにくの曇り空の一日でしたが、むしろ赤や黄色の色づきにコクが出て本当に美しく、しっとりとした渓谷の彩りに目を奪われました。
ゴツゴツとした岩壁が織りなす迫力ある渓谷美と、優しく柔らかな印象の紅葉の森、さらに川床まで見通せる透明な水の流れが絶妙なコントラストで見事に調和しています。
筆者にとっては初めての場所でしたので、まずは一段高い車道からひと通り釣り場をチェックしつつ、川へ安全に降りられそうなポイントを探っていきます。色づいた木々のすき間から魚影を数多く確認でき、その数の多さにここは管理釣り場だと思い出させてくれます。平均的に大きな魚が多く、なかには50cmクラスも流れにゆらめいていました。