秋になると本州の多くの一般河川での釣りが禁漁になりますが、それと入れ替わって秋から冬に渓流釣りが可能な釣り場が増えています。河川の特定の区間に設けられた“冬季釣り場”です。
真冬並みの寒波が到来し、日本海側から徐々に荒天と変わっていく週でした。長野県北部に住む筆者は、迫り来る冬から逃げるように太平洋側へ。フライロッドを積んで目指したのは、相模湾の河口までわずかな距離にある神奈川県小田原市の「早川冬季キャッチ&リリース釣り場」です。
■濃い魚影! トラウトファンに大人気の「早川冬季キャッチ&リリース釣り場」
神奈川県西部、箱根「芦ノ湖」一帯を原流域とし小田原市を流れ、相模湾に注ぐ早川。渓流釣りの解禁中はアユやヤマメ釣りでも有名な川です。その下流部に設けられた“冬季特別区”が魚影も濃く釣り人から好評なのは、元気な良型ニジマスが定期的に放流されるためでしょう。
人口が集中する関東エリア、しかも高速のインターからも近いというアクセスの良さ。魚を確認しながら釣りができるサイトフィッシングにも適した流れも魅力的です。
遊漁料金も12月31日までは日釣り券1,300円(大人・男性)、1月1日から1,600円。一般的な相場からするとかなり安い設定で、平日でも多くの釣り人が訪れる、人気の釣り場となっています。
営業期間:2025年10月18日(土)〜 2026年2月20日(金)
■良型の魚影を発見! サイトフィッシングが楽しめる釣り場
釣り場には8時すぎに到着したのですが、すでに何人かロッドを振っていました。駐車スペースで準備している釣り人も数組います。
筆者も含めて多くがフライフィッシャーのようです。平日でしたが、しばらくすると20人くらいの釣り人が各ポイントに散らばってロッドを振っていました。
ちょうど最下流部の橋の下が空きました。釣り場のなかでも目に付きやすいこの場所は、人気のポイントのひとつでしょう。しばらく観察していると魚影を発見。なかには大型で整ったプロポーションのニジマスも泳いでいます。
しかし案の定、魚たちはスレスレです。フライをチェンジしながらあの手この手で誘いますが、まったく相手にされずに気がつけば昼前になっていました。
ここでようやく諦めて移動することにしました。土手を上流へと歩いて入ったのは、全体の真ん中くらいの場所です。流れの効いた流心のヨレに、フライを沈めて探っているとラインのマーカー(目印)がスッと動きました!
瀬のなかを上流へ下流へと走り、激しく抗うニジマスに翻弄されます。徐々にラインを手繰り、手元に寄せてネットイン。彩り鮮やかな貫禄のある魚体、ようやく釣り上げた一匹に喜びもひとしおです。
ちなみに朝13℃だった気温は午後には17℃まで上がってポカポカ陽気、水温は11.8〜12.8℃と変化していました。