秋になると、本州の多くの一般河川での(トラウトを対象とした)釣りが禁漁時期となります。その一方で、ニジマスを対象とした冬季釣り場の営業が始まる時期でもありますし、実はほとんど一年中渓流釣りが可能な場所もあります。栃木県の塩原温泉郷を流れる「箒川(ほうきがわ)」のルアー&フライ “C&R”(キャッチ アンド リリース)釣り場もその一つです。

 急激に冷え込んできたおかげで、足踏みしていた紅葉も各地で見頃を迎えつつあります。彩りのピークにはまだ早かったようですが、渓谷美を堪能しつつ、日がな一日のんびりとフライフィッシングに興じてきました。

■秋の彩り美しい塩原温泉と箒川の流れ

塩原温泉街、箒川に架かる「紅の吊橋」のほとりにある「塩原もの語り館」(2022年11月中旬)

 箒川に沿った塩原温泉郷は、西暦806年から続く1200年以上の歴史を誇る温泉地です。「塩原十一湯」と呼ばれる湯本からなる温泉郷は、源泉の数も150か所以上と豊富で、様々な泉質を楽しむことができます。

2024年11月8日撮影の「紅の吊橋」。紅葉の見頃を迎えつつあります

 川べりから眺める温泉地は風情があり、旅情をかき立ててくれます。ことに紅葉の季節は川岸の樹々の紅葉が水面に彩りを映し、華やかな景色が漂います。今年は例年より遅れていましたが、それでも、渓に日が差し込むと赤や黄色に色づき出した木々が浮き上がるように輝いています。見上げると山の上はすでに秋めいて、鮮やかな表情を見せてくれていました。

■大型のニジマスが狙える! キャッチ&リリース区間

キャッチ&リリース区間下流部の風景。2024年11月8日撮影

 ルアーやフライフィッシング、テンカラで楽しむキャッチ&リリース区間は、下流は「稚児ヶ淵」から上流は「福渡県営駐車場」までが釣り場となっています(2024年4月27日〜2025年1月13日)。一部、ルアーのみ可能なエリアも存在します。遊漁規定(ルール)と合わせて、詳しくは漁協のHPを参照のこと。

 川に沿って遊歩道も整備されており、駐車場も数か所用意されており、観光や温泉のついでに楽しめます。ただし、箒川には大型の元気で健康状態が良好なニジマスが多く、ヒレも張って筋肉質です。ときに60cmクラスやそれ以上の魚も掛かるかもしれません。タックル(釣り道具)と心の準備は万全にして臨むべきでしょう。

塩原漁業協同組合:
https://jf-siobara.jp/fishing/cr/