本州のほとんどの自然河川の渓流釣りが禁漁になる秋、一気に賑わいを見せる釣り場があります。それが犀川殖産管内の犀川本流です。一年中釣りができ、野趣溢れる大型のトラウトを狙うことができるとあって人気の河川です。冬に近づくにつれて冷水性のトラウトの活性も上がり、犀川のセカンドシーズンが始まるのです。

 11月23日、勤労感謝の日に市街地を流れる犀川で「えびす講煙火大会」が開催されました。晩秋から初冬へ向かう長野の風物詩です。打ち上げられた花火が川面に映る様子を見ていたら、すっかり釣り欲が刺激されてしまいました。翌日、長いフライロッドを携えて釣りへと向かったのでした。

■通年釣り可能! 犀川(殖産エリア)本流の魅力

この時期は基本的に減水していて透明度も高いです。橋の上からは川床まで見通すことができ、じっくりと観察していると、慣れた釣り人なら魚の姿(コイもいますが)を見つけることができるでしょう

 梓川や高瀬川など、北アルプスの山々から流れ来る水を集めた犀川は、国道19号線に沿って山間部を抜け長野市街地へと流れていきます。千曲川と合流した後、新潟県に入ると信濃川と名前を変えて日本海へと注ぎます。

 このうち生坂村の「平ダム」から長野市郊外の千曲川合流点の少し上流までが、犀川殖産漁協が管轄するエリアです。本流は通年、つまり一年中釣りをすることができます(長野市大岡大八橋〜信州新町更級橋は、キャッチアンドリリース区間となっている)。

 谷間を縫うように蛇行する広く太い流れは力強く、野生味溢れるビッグトラウトたちを育んでいます。その魚たちを狙って県内外から多くの釣り人がやって来ています。

釣行前夜には晩秋から初冬への風物詩「えびす講煙火大会」が、長野市街地で開催されていました

■満足できる一本を求め、広い流れを探っていく

長野市街地から少し上流、笹平から明治橋にかけての犀川の夕景

 実は筆者は犀川の一番近いポイントまで10分ほどの場所に住んでいます。いっときは(早朝だけなど含め)週3〜4回通うほどの熱の入れようでした。それが原因で体調を崩すほどで、最近は足が遠のいていたのです。今回は久々の釣行だったのですが、連休中ということもあって混雑を避けるためにキャッチアンドリリース区間より下流のエリアを探って回りました。

 犀川沿いの紅葉もすっかり終盤です。朝イチから釣り始め、2か所を回って反応なし。4℃だった気温は徐々に上がって14℃。水温は8℃から8.7℃になっていて、歩いていると汗ばむようになってきていました。

 3か所目。一見するとあまり特徴のない直線の平瀬なのですが、緩やかに下流に向かって左岸に流れが寄ってきており、よく見ると複雑な流れが数多のヨレを作り出しています。あまり釣り人を見かけないのですが、筆者のお気に入りポイントです。過去、アタリだけの場合も含めると、実に9割以上の高打率のランです。

 川床の様子をチェックすると、成長したヒゲナガカワトビケラのラーバ(幼虫)が目立ちます。とにかく犀川にはこの虫が多いです。長野県南部の天竜川流域では「ざざ虫」として、人間も食べるくらい食べ応えのある虫です。これを模したチューブフライを結びました。

 流し始めて数投でもごもごとしたアタリがありました。そのまま待っていると、ラインが引かれリールが逆回転したので合わせると、一気にロッドがのされるような鋭いダッシュ! が、そのままフックアウト……。