◼️ただただ真っ白い斜面をまっすぐ登っていく
私はたまたま出張で福井を訪れたので、その帰りに天気がよければ白山に挑戦することにして、岐阜在住の仲良しの友人を誘った。天気や積雪状況が心配だったけど、当日は11月の北陸にしては珍しく、快晴無風の登山日和に当たった。
ただ、11月はシャトルバスどころか道自体が閉鎖されており、別当出合登山口まで片道2時間ほどを歩いて登るしかない。登山口にはまだ雪がなかったけど、山頂直下の室堂という開けたスポットは一面真っ白だった(ちなみに室堂という地名は、富山県の立山にもあり、山小屋を予約する際に、白山室堂と立山室堂とを間違える人がいるんだって。皆さんもご注意を)。
別当出合登山口から山頂までは、白山室堂で出合う2つのルートが選べる。この日は、アップダウンが少なく楽な砂防新道を登りに選んだが、私たち以外には数組の登山者の姿しかなくてとても静かだった。もう、それだけでなんだか神々しい。
室堂より上は背の高い植物がないので、雪が積もればただただ真っ白い斜面をまっすぐ登っていくだけ。登り始めて10分ほど、いきなりどこからともなく雲が湧いてきた。登った分だけ下から雲が自分を追ってくるかのような、とても不思議な感覚だ。「まさか、登頂したら視界は真っ白か!」と焦りながらも、ひたすら登っていく。