■薩摩一之宮の「枚聞神社」を参拝

県の重要文化財に指定されている枚聞神社

 開聞岳は「薩摩富士」と称され、市のシンボルとも言える。開聞駅から徒歩10分ほどの場所に開聞岳を御神体とする「枚聞神社(ひらききじんじゃ)」がある。交通・航海の安全、漁業守護の神として崇め敬われ、薩摩一之宮として古くから信仰を集めてきた神社だ。

 鳥居の手前には新たに置かれたという一対のシーサーが待ち構えている。鳥居をくぐり参道をまっすぐ進むと拝殿があり、その向こうには開聞岳がそびえている。つまり山に向かってお参りするようになっているのだ。古くは開聞岳に祀られていたという神社で、開聞岳を登ると山頂付近に枚聞神社の奥宮となる御嶽神社が祀られている。

新しく置かれたシーサーはなんとなく南国らしいイメージだ
鳥居の手前にある手水舎で手と口を清めてから参道に向かう

 現在の本殿は、慶長15年(1610年)に薩摩藩主の島津義弘が寄進し、後年、島津重豪が改築したもの。本殿にある向拝柱は、薩摩国によく見られる龍と瑞雲が絡んだような彫刻が施され、鮮烈な極彩色に目を奪われる。

参道の真正面が拝殿。この日は雲がかかっているが、晴れた日は拝殿の向こうに開聞岳が見える
旅の交通安全を願いつつ拝殿でお参り
本殿や拝殿などの隅々まで精密で色彩豊かな彫刻が施されている
重要文化財指定の「枚聞神社」

■見学体験から指宿の魅力を発見

温泉街の玄関口となる指宿駅。駅内の総合観光案内での情報もおすすめ

 指宿市は温泉街を拠点にあちこちで観光を楽しめるが、施設見学などを日替わりで体験するというのも旅のひとつの楽しみ方。各施設を見学しながら説明を聞いていると、地域の歴史や風土などが見えてきて、指宿のことをより深く知るいい機会になる。

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