秋は気候も穏やかで、家族連れや初心者が釣りを始めるにはぴったりのシーズンだ。なかでもハゼ釣りは、“汽水域”で気軽に楽しめる代表格。汽水域とは、淡水と海水が混ざり合う場所のことで、栄養が豊富で小魚やエサが集まりやすい。ハゼも多く生息しており、釣果が期待できる。

釣りの対象となるのは食味に優れたマハゼ

 ハゼと一口にいっても多くの種類が存在する。そのなかでも、秋の釣りのターゲットとして人気なのがマハゼだ。食味に優れ、全国の汽水域に生息し、釣りの対象魚として親しまれている。

 マハゼは穴を掘って生活する習性があるが、砂が多すぎる底質では穴が崩れてしまうため、泥分を含んだ柔らかい砂泥底をすみかとしている。

 普段は河口や内湾で生活しているが、秋になると汽水域の浅場へ、エサとなるゴカイや小型のエビ類などを求めて群れで上がってくる。釣りのしやすい浅い場所で活発にエサを求める習性が、秋のハゼ釣りを盛り上げる理由となっている。

■秋はデビューに最適! ハゼ釣りの魅力

釣りが許可されている橋から延べ竿を垂らし、家族で楽しむ秋のハゼ釣り

 ハゼ釣りは足場の良い岸辺で楽しめる手軽な釣り。特別な装備は不要で、短時間でも釣果が出やすい。

●子どもにおすすめな理由

 足元の浅場で釣れるため危険が少なく、魚の姿が見えることも多い。仕掛けを落として待つだけなので、小さな子どもでも「釣れた!」を体験しやすい。

●初めてでも安心な基本の釣り方

 釣れるのは潮が満ちてくる時間帯。上げ潮になるとハゼの活性が高まり、岸近くまで寄ってくる。干潮時には泥底にできた水たまりに残ったハゼを観察でき、釣れる場所を探すヒントにもなる。

■道具と準備:これだけは揃えたい必携3アイテム

万能2本針仕掛けやジェット天秤など、ハゼ釣りに便利な必携アイテム

 ハゼ釣りに最低限必要なのは「竿・仕掛け・エサ」の3つ。竿は入門用の延べ竿やチョイ投げセットで十分。釣具店には竿とリールと仕掛けの一式がセットになったものがあり便利だ。仕掛けは万能2本針仕掛けやハゼ専用のチョイ投げ仕掛けが定番。

 延べ竿には専用仕掛けが販売されているので、こちらを利用したい。チョイ投げの場合は、仕掛けを軽く投げ入れて底をとり、軽く糸を張ってアタリを待つスタイルが基本となる。オモリはジェット天秤8〜15号を目安に、水深や流れに応じて調整する。ハゼは口が大きいので針は流線形の10〜12号がオススメ。