山の奥深くまで連れて行ってくれる7つのロープウェイやゴンドラなどの索道を利用して、標高1,000m~2,000mの世界で秋の絶景を記憶と記録に焼き付けよう。

 第1回は「那須ロープウェイ」を紹介したい。

●ここがポイント! ロープウェイ、ゴンドラ、トロッコ、遊覧船を使うメリット

ポイント1. 一気に標高1000m~2000mの世界へ
乗り物の力を使うことですぐに山の上や奥深くまで上がれるので、体力と時間の節約になる。時間をかけてじっくりと撮影に集中できるため、納得のいくで撮れ高が得られるのは間違いない。

ポイント2. 山岳風景ならではの写真が撮れる
ロープウェイなどで向かう先は標高1000m超えの場所。そこは絶景が広がる非日常の世界。乗り物に乗って
いる時の眺めも特別な時間が堪能できる。

ポイント3. レベルや体力に関係なく楽しめる
乗り物を使うことで体力に関係なく、誰でも比較的簡単に山の上や遠くへ行ける。そのため、年の差がある家族や普段は登山をしない人などレベルや体力に差がある人でも気軽に同じ景色を楽しめる。

ポンント4. 多くの機材を持っていける
こだわりの撮影をしようと意気込むほど荷物は重くなるもの。この悩みは索道を使うことで一挙解決。重い荷物を背負ったまま、ロープウェイなどに乗って移動できるので、楽々と標高を上げられる。

 

■鮮やかな秋色の那須連山と噴煙を上げる茶臼山の絶景の中へ

●様々な角度から迫力ある火山を堪能

 栃木県の最北端にそびえる茶臼岳(那須岳)は、もうもうと噴煙を上げる活火山。那須ロープウェイを利用すれば、麓から9合目まで、一気にアクセスすることができる。山頂駅からは、トレイルに沿って40分ほど歩けばもう山頂だ。登山に程よい山として知られるが、カメラ機材などを担いで登る身にとって、このロープウェイの存在はひときわありがたい。

 山頂から広がるのは360度のパノラマだ。磐梯山や日光連山、そして関東平野まで一望でき、様々なアングルでの撮影が楽しめる。とりわけ、秋の美しさは圧巻だ。ナナカマドやドウダンツツジ、カエデ、ダケカンバなどが鮮やかに色づき、眼下のすそ野から那須連山一帯の山肌を埋め尽くし、見事だ。

 山頂からの眺めを堪能した後は、山の裏側にある姥ヶ平にも足を延ばしたい。一旦、山頂駅付近まで戻り、南側の山肌をぐるりと回るトレイルへ。牛ヶ首を経て約4km、2時間ほどで到達できる。ここは、まぶしいほどに紅葉した山肌と、噴煙を上げる茶臼岳とを合わせて眺められる絶景スポット。山頂付近のむき出しの岩肌とのコントラストも美しい。ここから少し先にあるひょうたん池もあわせ、ぜひ押さえておきたい場所だ。

 

●MAP

●SPOT_01 鏡のような池に映る、秋彩の“逆さ茶臼岳

水面にくっきりと映り込む茶臼岳

 姥ヶ平から木道を進むと、木々に囲まれた静かな水辺「ひょうたん池」にたどり着く。風のない晴れた日には、真っ赤に染まる周囲の森と、堂々とそびえる茶臼岳が水面にくっきりと映り込む。まるで絵画のような光景に、時を忘れてシャッターを切りたくなる。

●SPOT_02 紅葉のじゅうたんを一望

紅葉シーズンにぜひ立ち寄りたい牛ヶ首

 茶臼岳の裏手へと続くルートの途中にある「牛ヶ首」は、紅葉シーズンにぜひ立ち寄りたいビューポイント。赤や黄、橙と色とりどりに染まった山肌が、まるで一面の絨毯のように広がる、姥ヶ平の全体を見渡せる。

●SPOT_03 山頂から望む、360度の大パノラマ

山頂からは大地全体を見渡すようなパノラマビュー

 木々のない岩肌が広がる茶臼岳の山頂は、視界を遮るものが一切なく、眼下には那須高原、遠くには雄大な山並みが連なり、まるで大地全体を見渡すようなパノラマが広がる。運が良ければ、幻想的な雲海が辺りを包み込み、まるで天空に浮かんでいるかのような体験ができることも。

●SPOT_04 時間をかけて味わいたい姥ヶ平の紅葉美

「姥ヶ平」は人気の撮影スポット

 牛ヶ首を下った先に広がる平地「姥ヶ平」は、紅葉と茶臼岳の調和した景観を楽しめる人気の撮影スポット。ベンチやテーブルも設置されており、刻一刻と変わる雲や光の動きを、ゆったりと撮影できる特等席だ。

●CHECK POINT ! 歴史ある「那須温泉」でリラックス

1300年の歴史を誇る共同温泉「鹿の湯」

 トレッキングの後に立ち寄りたいのが、麓にある「那須温泉」だ。特に1300年の歴史を誇る共同温泉「鹿の湯」は昭和初期に改築された木造建築で、雰囲満点。周辺には温泉旅館も多い。

 

●attention! 良いこともあるけど、これは気をつけよう!

1_ 乗った先の天候と気温差
標高が1,000m上がると、気温は約6℃下がる。さらに山上は風を遮る場所がなく、吹きさらしになることが多いため、さらに体感気温は下がる。山の奥深くへ水平に移動したとしても、同様に出発地との天気は違っている。乗り物を利用する際は、山を歩くことと同じように、防寒着やウィンドシェルなど、羽織れるものを一枚追加して持っていこう。

2_最終運行時刻をチェック
当然ながら、乗り物には最終運行時刻があるので注意しよう。散策を楽しみすぎて、うっかり時間を忘れたり、遠くまで行って戻るのに時間がかかってしまい、帰りの便に乗れなかった、ということがないよう時間に気を配りながら紅葉フォトトレッキングを楽しもう。

 

●施設概要:那須ロープウェイ

・距離/812m、高低差/294m、所要時間:約4分
 1基の定員:111人(車掌含む)
・営業期間/営業中~12月14日(日)無休
・運行時間/ 8:30~16:30(季節により変動あり)
・料金/大人(中学生以上):往復1800円、片道1200円、
     小人(小学生):往復900円、片道600円 ほか
・アクセス/車:東北道・那須ICより約35分
 電車:東北新幹線・那須塩原駅より路線バスで約70分、
    東北本線・黒磯駅より路線バスで約60分
・駐車場/155台・無料
・住所:栃木県那須郡那須町大字湯本字那須岳215 
・電話:0287-76-2449

那須ロープウェイ 公式HP

 

【「soto 2025」より再編集】

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