愛媛県西条市と久万高原町にまたがる西日本最高峰の霊山、石鎚山(いしづちやま)。標高1,982mを誇り、主峰の天狗岳をはじめ複数の峰々をもち、修験道の山として古くから信仰を集めてきた。
登山道には巨大な鉄鎖を登る「鎖場」が4つ設けられている。鎖自体は江戸時代以前からあり、修行者のために設けられたとされている。
今回修行の雰囲気と達成感を味わうために登ってきたので詳細をレポートする。
■石鎚山成就社ルート登山コースの紹介
今回登ったのは、麓から成就駅までロープウェイで昇り、石鎚神社中宮成就社(いしづちじんじゃちゅうぐうじょうじゅしゃ・標高1,450m)から山頂を目指す成就社ルート。20代の筆者(登山歴は時々低山を登る程度)、30代の夫(神戸マラソンに向けて練習中)、50代の母(運動不足だったが、石鎚山登山に向けて2週間前から毎日3kmのジョギングに取り組む)の3人で挑んだ。

●登山口へのアクセス
JR予讃線(よさんせん)の伊予西条駅より路線バス「せとうちバス」に乗り、ロープウェイ前駅で下車。もしくは、大阪や神戸からは高速バスも出ている。
自家用車で行く場合は(松山自動車道・西条IC で降り、国道11号と県道12号を経由して向かうことができる。
■階段で舗装されたキレイな登山道! しかし、途中から階段が
ロープウェイ成就駅に到着し、15分ほど歩いたらスタート地点の石鎚神社中宮成就社に到着する。ちなみに成就駅から石鎚神社中宮成就社まではリフトでショートカットもできるため、母は体力温存のためリフトを利用した(乗り場までの移動があるため、徒歩と比べてもそれほど到着時間は変わらなかった)。

ポストに登山届を投函し、いざ入山! 最初は下りが続き「せっかくロープウェイで昇ったのに下ってしまってもったいない」と心の中のケチな自分がザワザワしていると、鳥居が見えてきた。
鳥居には「健康に自信がない人はここまでにしてお帰り(意訳)」というような言葉が書かれた看板が。お参り目的の人はここから鳥居の奥に見える山頂を見ることで参拝とみなしてくれるそう。しかし、筆者は健康。まだまだ歩く。


鳥居を越えると階段が現れたが、登山道は舗装されており、歩きやすい。幅は少し狭めだが、大人二人が交差できる余裕はあるため、登山者と下山者の離合もスムーズだ。
ただ、この階段が曲者だった。最初は歩きやすくうれしいと思っていたが、なんとこの後ほぼ頂上までずっと同じ調子でひたすら階段が続く。一段の段差もそこそこあり、頂上につくまでの約3時間、ずっともも上げ状態。母は終盤は杖を突きながらヘロヘロだ。