関西在住の方であれば、四国へ行く際の交通手段はマイカーや高速バス、岡山まで新幹線で出てマリンライナーに乗り継ぐなどさまざまだ。
筆者も普段は車派だが、今回あえて「船」を選んでみたところ、これが大正解。寝ている間に目的地に着き、船内はまるでホテルのようで移動から非日常感を味わえる。「船旅って荷物とか面倒じゃない? 船酔いはない? ちゃんと寝れる?」 そんな心配は必要ない。
今回は関西在住の筆者が体験した四国までの船旅の魅力を紹介しよう。
■忙しい社会人の週末時間を最大限活かせるフェリー旅の勧め
今回の目的地は愛媛県にある西日本最高峰の百名山、石鎚山(いしづちやま 1,982m)だ。筆者の住む兵庫県から車で行くことを考えると、片道4時間半〜5時間ほどかかるため、5時に家を出ても登り始めは昼前になってしまい、自分の体力で日没までに下山できるかが不安だった。だからといって金曜日は仕事のため、前泊はできない。もっと早い時間に家を出発するとなると、睡眠不足になってしまい登山自体が心配だ。
何かいい方法はないものかとスマホで検索していたところ、見つけたのがオレンジフェリーだ。金曜の夜に大阪南港を出港して、土曜日の朝に愛媛県の東予港に到着。土曜日は一日かけて石鎚山登山を楽しみ、土曜日の夜に東予港を出港して、日曜日の朝に大阪に帰ってくる行程だ。時間も体力もない社会人にはピッタリだと、早速ネット予約を試みた。
■金曜日の仕事後、直接港へ。“休日のはじまりムード”が高まる!
出港は22時だが、船には20時から乗れるので、金曜日の定時に仕事をきっちり終わらせ(放り投げ)、大阪メトロで港へ向かう。通勤路線とは別の電車に乗っていることで、急に非日常ムードが高まってくる。
最寄り駅を降りると大きな船が待っていた。今回筆者を愛媛へと運んでくれる「おれんじおおさか」だ。港で乗船受付を済ませて船に入ると、ホテルのような立派なロビーが目に飛び込んできた。



■秘密基地のようなワクワク感がたまならない、シングルルーム
予約した部屋は最もリーズナブルなシングルルーム。カプセルホテルのように、一つの大きな部屋の中に内鍵をかけられる小分けの部屋がいくつもあった。ベッドと机だけのシンプルな部屋だが、正直寝るだけなので全然気にならない。

少し狭めの部屋だったが、秘密基地のようなワクワク感があり、逆によかった。注意点もある。まず、外鍵がかけられない点。貴重品は必ず持ち歩こう。また、タオルや歯ブラシなどのアメニティセットがないため、準備をしておこう。もし忘れてしまった場合でも、船内の自動販売機で購入できるため安心。
なお、ランクを上げてデラックスシングル以上の船室になると、鍵とアメニティが着いてくる。狭さは気にならないが、やっぱり鍵はほしいので、次にオレンジフェリーを利用するときはデラックスシングルを予約したい。時期にもよるが、シングルとデラックスシングルの片道料金差は2,000~3,000円ほど。3,000円で安心をゲットできると思えば安いものだ。
■レストランは21時でも大人気! 名物の鯛めしに舌鼓
荷物を置いてレストランで晩ごはんを食べる。21時頃だったが、レストランは大盛況。好きな小鉢を選びながら最後にメインメニューを注文する形式。筆者がメインで頼んだのはオレンジフェリーの看板メニュー「宇和島鯛めし(1,700円)」。

プリプリの鯛と、とき卵をほかほかご飯にぶっかけ、ビールを流し込み、鯛を一口。最高! 今、筆者の週末がはじまった。
最初は量が足りるかな? と思っていたが、意外にちょうどよいお腹の膨れ具合になった。もう少しほしい場合は小鉢で調整するとよさそうだ。