■やっかいな蜘蛛の巣に苦戦

盛夏の渓で厄介だったのは、とにかく蜘蛛の巣が多かったことです。場所によってはかなり川幅が狭く、そういうところにこそイワナが潜んでいそうなポイントがあるのですが、たいてい流れを跨ぐように蜘蛛の巣が幾重にも横切っていました。
今回はフライフィッシングでした。フライ(毛鉤)を投げればどうしても蜘蛛の糸に引っ掛かります。渓流釣りをする人であれば経験があるかと思いますが、その糸はかなり頑丈で、しかも粘りが強く一度ライン(釣り糸)に付着するとなかなか取れません。フライもグチャグチャになってしまって本来の形を取り戻すのが困難です。
■好釣果をもたらしてくれた! 妖艶なスパイダーパラシュート

こんなに蜘蛛が多いのなら、捕食対象として狙っている魚も多いはず。捉えた虫たちを食べる蜘蛛は、虫を主食としているイワナたちにとっても、きっと美味しいに違いありません。

さて、蜘蛛を模したフライ、スパイダーパラシュート(ドライ)を投じると、出渋っていた魚たちが素直に飛び出してくるようになりました。自然相手、生き物相手ですので、どうしても同じ条件で試せないのが残念ですが、目ぼしいポイントからはほぼ必ず魚が出てきますし、スッポ抜けもなくしっかりとフッキングしていました。蜘蛛は人気のようです。
一度だけ、流れのまったく効いていない場所で、ゆっくりと浮上してきた大きなイワナが直前でフライ(スパイダーパラシュート)を凝視してからそっぽを向いて隠れ家へ戻っていきました。その一連の動き、選球眼の鋭さに感服すると同時に、次の釣行に向けて新たなフライを巻く原動力にもなります。