山の奥深くまで連れて行ってくれる7つのロープウェイやゴンドラなどの索道を利用して、秋の絶景を記憶と記録に焼き付けよう。
第2回は「奥只見湖遊覧船」を紹介したい。
●ここがポイント! ロープウェイ、ゴンドラ、トロッコ、遊覧船を使うメリット
ポイント1. 一気に標高1000m~2000mの世界へ
乗り物の力を使うことですぐに山の上や奥深くまで上がれるので、体力と時間の節約になる。時間をかけてじっくりと撮影に集中できるため、納得のいくで撮れ高が得られるのは間違いない。
ポイント2. 山岳風景ならではの写真が撮れる
ロープウェイなどで向かう先は標高1000m超えの場所。そこは絶景が広がる非日常の世界。乗り物に乗って
いる時の眺めも特別な時間が堪能できる。
ポイント3. レベルや体力に関係なく楽しめる
乗り物を使うことで体力に関係なく、誰でも比較的簡単に山の上や遠くへ行ける。そのため、年の差がある家族や普段は登山をしない人などレベルや体力に差がある人でも気軽に同じ景色を楽しめる。
ポンント4. 多くの機材を持っていける
こだわりの撮影をしようと意気込むほど荷物は重くなるもの。この悩みは索道を使うことで一挙解決。重い荷物を背負ったまま、ロープウェイなどに乗って移動できるので、楽々と標高を上げられる。
■2,000m級の山々に囲まれた湖で大自然の紅葉世界に浸る
●湖上から秋の絶景を見上げる感動体験
新潟県と福島県の県境にある奥只見湖は、深い山の中、何本かの枝を伸ばすように複雑な形で広がっている。1960年に水力発電所のダム建設のために作られたもので、貯水量6億㎥と、人造湖としては国内最大級の規模を誇る。山間の雄大な自然の中を、遊覧船で巡ることができ、とりわけ、秋の紅葉風景の中でのクルーズは大人気だ。湖畔に聳える切り立った2,000m級の山々(平ヶ岳、荒沢岳、燧ヶ岳)が鮮やかに色づいた様子を、その真っただ中の湖上から眺めるのは格別の迫力がある。まさに森が醸し出す「天然」の力強さを感じることができる絶景体験であり、旅行業界誌「プロが選ぶ水上観光船」の第5位にもランキングされている。
遊覧船は奥只見ダムの麓にある乗船場から出航。中心部を回る「奥只見周遊コース」の他、景勝地の銀山平へ往復する「銀山平コース」、尾瀬方面への入り江に入って往復する「尾瀬口コース」がある。後者2航路は片道乗船が可能で、対岸にある乗船場にはバスやタクシーでもアクセス可能。また、その先の銀山平の散策やキャンプ、尾瀬国立公園へのトレッキングをあわせて楽しむこともできる。
●MAP

●SPOT_01 遊覧船ファンタジアのデッキから見る銀山平

湖の入り江の奥深くへと入っていく「銀山平コース」は、秘境感あふれる航路。両側に迫る山肌をブナなどの広葉樹が鮮やかに染め上げ、豪快な紅葉パノラマが展開する。とくに、300人乗りの外輪船ファンタジア号から眺める荒沢岳や越後駒ヶ岳、銀山平の景観は圧巻。荒沢岳は午前中が順光で特に美しく、写真の斜面は午後も日が陰ることなく綺麗に見える。
●SPOT_02 早朝の銀山平乗船場

江戸時代に銀鉱山として賑わった場所。多くの集落跡は湖底に沈んだが、銀山平には温泉やログハウスの民宿など風情のある集落が残されている。枝折峠の「滝雲」でも知られる霧と、湖面から立ち上る蒸気に包まれる乗船場の風景は幽玄。
●SPOT_03 十二山神社付近から望む荒沢岳

湖の中でひときわ美しいのが、十二山神社付近。狭い山あいを進んできた先にあり、急に視界が開けて奥只見湖の雄大な景色が広がる。中でも銀山平への入り江への分岐点あたりは、湖面越しに荒沢岳の雄姿が望める最高の撮影ポイントだ。
●SPOT_04 電力館から奥只見ダムを一望

奥只見ダムから徒歩5分ほどの位置にある「電力館」は、ダム建設の資料をはじめ、水力発電の仕組みなどを展示した奥只見発電所の付属施設。展望スペースの大きな窓からは、山々に囲まれたダムを一望することができ、貴重な撮影スポットとなっている。ダムファンならずともぜひ押さえておきたい風景だ。
●CHECK POINT ! 抜群の眺望!銀山温泉「白銀の湯」

銀山平(越後三山只見国定公園「銀山平森林公園」)にある日帰り温泉「白銀の湯」は、ぜひ立ち寄りたいスポット。とくに越後駒ヶ岳と中ノ岳を間近に眺められる露天風呂は素晴らしい。
●attention! 良いこともあるけど、これは気をつけよう!
1_ 乗った先の天候と気温差
標高が1,000m上がると、気温は約6℃下がる。さらに山上は風を遮る場所がなく、吹きさらしになることが多いため、さらに体感気温は下がる。山の奥深くへ水平に移動したとしても、同様に出発地との天気は違っている。乗り物を利用する際は、山を歩くことと同じように、防寒着やウィンドシェルなど、羽織れるものを一枚追加して持っていこう。
2_最終運行時刻をチェック
当然ながら、乗り物には最終運行時刻があるので注意しよう。散策を楽しみすぎて、うっかり時間を忘れたり、遠くまで行って戻るのに時間がかかってしまい、帰りの便に乗れなかった、ということがないよう時間に気を配りながら紅葉フォトトレッキングを楽しもう。
●施設概要:奥只見湖遊覧船
・距離/11~12km(コースにより異なる)
所要時間/約40分
1基の定員/ファンタジア 300人、おぜ 150人、しおり丸 100人、新はっさき丸 50人
運行間隔/60・120分
・営業期間/営業中~11月8日(土)無休
・運行時間/平日9:00~17:00
・料金/往復 大人(中学生以上):2880~3240円、小人(小学生):1440~1620円 ほか
(時期・コースにより異なる)
・アクセス/車:関越道・練馬ICより約50分
電車:上越新幹線・補佐駅より路線バスで約80分
・駐車場/奥只見駐車場 400台・無料、銀山平 80台・無料
・住所:新潟県魚沼市湯之谷芋川字大鳥1317-3
・電話:025-795-2750
【「soto 2025」より再編集】
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