■ついにヒット! 待望の一匹目に感激

対岸ギリギリに低弾道で投げ、静かに着水。ファーストキャストで決めるためには練習あるのみ

 通い慣れた渓ですのでポイントは把握しているのですが、なかなか思うようにキャスティングが決まりません。久々の実釣はどこかぎこちなく、それが新鮮な喜びにつながります。枝などに引っ掛ける頻度はフライより多く、そのたびに苦笑いしつつルアーを回収します。

ルアーで釣れた一匹目。ボトムで鈍いアタリとともにヒットしました

 筆者の腕前だとフライフィッシングの方がピンポイントにフライを落とせますし、ドリフトもうまくいきます。当然、魚の反応もいいです。ようやくルアーにチェイスがあると、それだけで一喜一憂してしまいました。

 行程の1/3ほどまで来て、少しルアーでの釣りに慣れてきた頃、ついに待望の一匹目のイワナがかかりました。なかなかの良型で、ぶるぶると伝わってくるイワナの脈動は、フライロッドとはまた違った感触です。なにより、約10年ぶりにルアーで釣れた魚は喜びもひとしおで、サイズ以上の充足感がありました。

■ルアーフィッシングはやっぱり楽しかった!

川面を覆うヤナギの枝。イワナが好きな窪みを狙うには低弾道のキャストが求められます

 釣れ出すと要領を得て、まもなく同じくらいのイワナを追加することができました。あとは同行者に先を譲って様子を見守りつつ、練度を上げるべくルアーを投げては引いてを繰り返しました。周りにスペースがなくても操作できますし、かなり狭いところへ(上手くいけば)ルアーを落とせるのは魅力的ですね。何よりも、短くコンパクトにまとまる道具立てのおかげで移動がスピーディーなことを、あらためて実感しました。

普段使っているフライロッドは7.6〜8ft.です。それに比べて4.9ft.のルアーロッドは移動もスムーズでした

 いざ釣り終わってみると意外なほど疲れていません。疲労が少なかったは、ラインの結び直しが少ないおかげでしょうか。それともワクワク感が優っていたのでしょうか。やっぱりルアーは楽しかった!

 渓流釣りシーズンはいよいよ佳境へ。次からはルアーとフライのどちらにするか、嬉しい悩みが増えました。