先月半ば、八ヶ岳を走る「蓼科スカイライン」の冬季通行止めが解除されました。これにより、標高2,000m近い登山口まで車でアクセスできるようになりました。これからの季節、標高が高くて涼しい場所からスタートできることは、ハイキングルートを決める際の大きなメリットになるでしょう。

 ここでは、北八ヶ岳の人気ハイキングスポットのひとつ、双子池に建つ山小屋「双子池ヒュッテ」に、この夏の登山道の最新状況やイベントについて伺ってみました。

◼️今年の北八ヶ岳の状況

北八ヶ岳の双子池ヒュッテにお話を伺いました

――今年の北八ヶ岳エリアの状況について教えてください。

 今年の春先は残雪が多かった影響で、5〜6月初旬頃まで登山者の姿が少なかったのですが、現在はその分、例年より多くの登山者が来られている印象です。北八ヶ岳エリアでも、昨年あたりからインバウンドの方が徐々に増えています。特にアジアからの登山者が多く来られているようです。

静かな山中に2つの池が並ぶ双子池

――北八ヶ岳エリアの通行止め、通行注意の登山道や林道情報はありますか。

 大石川林道が通行止めとなっています。その他、7月は各所で登山道整備が行われていますので、歩かれる際に作業をしていたら気をつけて通行して下さい。

◼️夏山は日焼けと雷に注意

池の周辺には苔が美しい深い針葉樹の森が広がる

――夏山登山の注意点について教えてください。

 7月はまだ梅雨の時期なので雨や曇りの日が続きますが、山は紫外線が強いので、曇っていても日焼け止めを塗ることをおすすめします。また、梅雨が明けると急激に気温が高くなります。天気が良く、麓で気温が急激に上がる日は大気の状態が不安定になりやすく、午後からの雷になることが増えます。できるだけ早めに目的地に到着するような計画を立ててください。

紅葉は10月上旬が見頃

――7〜9月は混雑しやすい時期や、山小屋の予約の取りづらい時期はありますか。

 8〜10月は、各月共に初旬に来られる方が多い印象ですが、ひどい混雑になることはなく、予約は比較的取りやすいと思います。天候にもよりますが、稜線上の小屋から予約が埋まっていく傾向があります。混雑を避けたい方は、登山口や中腹の小屋が比較的空いていることを覚えておくと良いでしょう。また、良い場所にテントを張りたい場合は、お昼くらいまでには目的地に入った方が良いです。