■マグロを煮ただけの素朴で力強い味

高木商店の本まぐろ水煮・ツナ缶詰の内観

 本まぐろ水煮缶は魚肉の形状も独特で、不規則なブロック状の肉片が合わさった塊状になっている。刺身用にさばいた際の端材とはいえ、ひとつひとつの肉片が大きくて嬉しい。

 そのまま食べてみると、マグロを塩水で煮ただけの、素朴で力強い味がする。肉と肉の間にはコラーゲンが存在し、そこから甘みのある脂がにじみ出る。まさに本マグロらしい味であります。

■パンは両面を軽く焼く

火力が落ち着いた状態の炭火でパンを焼く

 さて、いよいよツナメルトを作ってみよう。焚き火台で火を起こし、炎がおさまって炭火になったところで、全粒粉のパンのスライスを焼く。両面に軽く焦げ目が付けばOKで、パン内部の水分が飛ぶほど焼いてはいけない。なぜならこの後、もう一度焼く工程があるからだ。

■塩は缶詰に含まれている塩分でまかなう

焼いたパンの片方にチェダーチーズと具をのせる

 表面が焼けたパンの1片にチェダーチーズをのせ、その上に具を広げる。

 具の中身は、本まぐろ水煮缶の汁気を切ったもの(1/2缶分)に、みじん切りの玉ネギとセロリ、粒マスタード、マヨネーズを混ぜ合わせたものだ。

 なお、塩は本まぐろ水煮缶に含まれている塩分だけで十分なので、あえて加えていない。粒マスタードは風味のアクセントとして加えた。

■チェダーチーズで魚臭さを軽減

さらにチェダーチーズを加え、もう1片のパンで挟む

 具の上にさらにチェダーチーズをのせてから(具を挟むように2枚使う)、もう1片のパンで挟む。

 ツナメルトにチェダーチーズが使われるのは、そのシャープで濃厚な味がツナの魚臭さを軽減するからだという。

 個人的には「チーズの味が強すぎるんじゃないの?」と想像しているが、まずは基本のレシピ通りに作ってみる。