■夫婦2人でかかった費用

 今回筆者たちは地元である石川県の小松空港から出発し、上海経由でニュージーランドのオークランドを目指した。

 以下は航空運賃だ。出発空港の違いや、経由なしの直行便が運行しているので金額に差が出やすいため、その辺を事前に確認する必要がある。

・日本ーオークランド(往復)18万2020円(2名分)
・オークランド → クライストチャーチ(片道)1万5761円(2名分)
・クイーンズタウン → オークランド(片道)1万6800円(2名分)
合計 21万4581円

 続いてレンタカーを借りてキャンプをしながらロードトリップをした南島7泊8日旅での費用の内訳を紹介する。

食費/2万7247円 交通費/7万1487円 観光費/2万3760円 宿泊費/3万8790円 お土産代/1万8000円
合計 17万9300円

 航空運賃とロードトリップ費用を合わせた合計は39万3881円となった。筆者が訪れた2024年3月のレートでの計算(1ドル約91円)だが、1人あたり約20万円でニュージーランド7泊8日の旅をすることができた。当時よりも現在の方が円高のため、より安価で行けるかもしれない。

 飛行機は都心の空港からの便を選べば、もっと選択肢は広がるのだが、地元である小松空港から上海経由でのニュージーランド便を選ぶことで、空港のある都心まで出る手間と時間を省いた。

 現地ではツアーやホテルでの宿泊はせずに、外食を控えるなどの節約を行い、レンタカーもハイブリット車だったため、給油回数を減らせたのが節約のポイントとなった。

 宿泊費に関しては無料や格安キャンプ場もあるので、もっと費用をおさえることは可能だが、ホリデーパークと呼ばれる海外ならではのアウトドア施設を利用し快適なキャンプ旅ができたことで、より一層アウトドア大国ニュージーランドを楽しめたと思う。

■日本とはスケールが違う!  ホリデーパークとは?

夕陽を眺めながら1日の終わりを感じる至福のひととき

 筆者たちはニュージーランド各地にある「ホリデーパーク」という施設でキャンプをしながら旅をした。ホリデーパークとは、コテージ、キャビン、ロッジなども施設内には完備され、オールシーズンさまざまなタイプの滞在が可能な、大規模なアウトドア施設である。ニュージーランド国内各地に数多くあり、観光地周辺や地方にもあるのでアクセス面もよい。

 利用の際は「Carpermate」というアプリから事前予約するのがおすすめだ。筆者たちは滞在中に6か所のホリデーパークを訪れた。筆者たちが利用したホリデーパークは、電源なしサイトで1泊約30ドル〜50ドル(2,700円〜4,500円)だった。

車は基本的に横付け可能。キャンピングカーやバン、普通車などニュージーランドでも旅のスタイルはさまざま
クイーンズタウン滞在の際に利用したホリデーパーク内にあったロッジ
雨の日やゆっくり休みたいときはロッジやコテージやキャビンを利用するのがおすすめ

 施設内には共有のダイニングルーム、冷蔵庫やレンジといった自宅のキッチンにあるような調理家電や調理道具、場所によってはお皿なども完備されていた。

 コンロに関しては、ほとんどの場所がIHタイプだったので、ガス火での調理道具を持っていっても使用できない点は注意が必要だ。筆者も調理道具としてメスティンを持参したが、食器としてのみの使用となった。どのホリデーパークにも調理道具はあったため困ることはほぼなかったが、食器やカトラリーは少ない場所もあったので持参することをおすすめする。

大人数での利用にも対応できるだけの調理道具や食器が用意されていた
室内にも飲食スペースがあり、天候が悪いときも安心

 筆者が利用したホリデーパークでは、ほとんどの場所でシャワーが無料で使用できた。

ドライヤーも設置されているが、なぜか男性のシャワールームにはない場合もあった

 洗濯機と乾燥機が利用できるランドリールームは有料で使用可能。ロープで洗濯物を干す場所があったので、筆者たちは洗濯機のみ利用していた。

テカポのホリデーパークで向かえた朝 洗濯物を干すのに洗濯バサミがあれば便利だ

 その他にバーベキュー施設、子どもや大人も楽しめるプールやトランポリン、そしてゲームセンターのようなゲームルームがあったりと、日本のキャンプ場では考えられないようなスケールで快適な滞在が叶う。スマートフォンなどの充電も問題なくでき、Wi-Fiもストレスなく使用できるのもうれしい。

クライストチャーチのホリデーパークに設置されていたプール
卓球やビリヤードの他、ゲームセンターにあるようなものまで置いてあったゲームルーム

 筆者たちも日本からキャンプ道具をあまり持参しなかったのだが、快適に滞在できた。日本から持っていったものと言えば、エアマット、寝袋、メスティン、カトラリー、少量の調味料くらいである。

 筆者が一番悩んだのが寒さ対策だ。ニュージーランドは1日のうちに四季があると言われるくらい、天気や気温の変化が大きい。訪れた3月上旬は夏から秋に変わる頃で、昼間は暖かいが朝方は特に冷えた。

テカポ湖の朝は特に冷え込んだ

 テントに関しては現地で安く購入できると確認していたため、大型スーパーで3,000円程度の小型テントを購入した。テーブルやイスはホリデーパーク内に数多くあるので持参しなくても問題ない。

現地で3,000円程度で購入した、コンパクトで簡単に設置できるお気に入りのテント

 食事に関しては、基本的に昼は外食、夜と朝はスーパーで食材を購入してホリデーパークで調理した。スーパーにはラムやビーフの肉厚ステーキが売っていたり、日本のスーパーではお目にかかれない食材が並んでおり、海外のスーパーならではの楽しみがあっておもしろい。購入した食材を自分たちで調理し、海外の大自然のなかで食べるという貴重な体験ができた。

テカポ湖の絶景を眺めながら、常設されたバーベキューグリルでステーキ肉を調理

■ニュージーランドはロードトリップがおすすめ

ニュージーランド最高峰のマウントクックへと続く道

 ニュージーランドを旅するなら、自由に旅ができるキャンピングカーやレンタカーを利用して、ホリデーパークやキャンプ場を気ままに巡るロードトリップをおすすめしたい。

 ニュージーランドは至るところに大自然が溢れていて、移動中のドライブはもちろんのこと、ちょっと車を停めて写真撮影したり、気になった場所に寄り道したりと自由に巡るのが楽しい。

好きな場所に車を停めて食事をしたり、ひと休みしたりできるのがロードトリップのよさだ                 

 ホリデーパークやキャンプ場といったアウトドア施設がニュージーランド国内には数多く点在しているので、天気によって次の目的地を決めたりと、臨機応変に旅をできるのもロードトリップの魅力のひとつである。

テカポ湖を一望できるマウントジョン天文台にて

 豊かな自然が広がり、アウトドアが身近にあるニュージーランド。アウトドア好きにはぜひ訪れてほしい場所である。