筆者がいつか実現したかったのが、アウトドア大国と呼ばれるニュージーランドでキャンプをしながら旅をすることだ。

 「海外でキャンプをしながら旅をするなんて、ハードルが高そう!」と思われる方も多いかもしれないが、実際はそんなことはない。今回は筆者が経験した、7泊8日のニュージーランド各地でキャンプをしながらのロードトリップについて紹介する。

■ニュージーランド南島 7泊8日のルート

 ニュージーランドは北島と南島からなる小さな島国で、面積は日本の約3/4程度だ。筆者は妻と二人、南島にあるクライストチャーチからクイーンズタウンを目指し、7泊8日の日程で旅をした。

 ルートは、ニュージーランド南島を縦断する「THE王道ルート」。まずクライストチャーチに到着し、そこからレンタカーを借りてロードトリップをスタート。翌日は人気のアルパカファームを目指すべく、クライストチャーチから90分、約80Kmを移動しアカロアへと向かった。

アカロアへと向かう道中に峠から見た景色。これからの旅を思い胸が高鳴る
フランス文化が残る、フランス移民が開拓した港町・アカロア

 目的地であるシャマラ・アルパカ・ファームでは160頭以上ものアルパカが放牧されており、アカロア湾が見渡せる絶景のなかアルパカと触れ合うことができる。南島縦断の王道ルートからは少し外れる道のりだったが、アルパカ好きとしては外すことのできない場所であった。

 広大な敷地内でアルパカと戯れ、餌やりの際はたくさんのアルパカに囲まれたり追いかけられたりと、幸せな時間を過ごすことができた。

敷地内に入り愛らしいアルパカと触れ合える

 翌日、アカロアからテカポへ4時間、約300kmの移動だ。南島のちょうど中央部に位置するテカポは、美しいテカポ湖が広がり、世界一にも選ばれた星空を見ることができる場所だ。人口500人の小さな町だが、多くの観光客が集う南島屈指の人気観光地である。

 実際にテカポ湖を見たときは、信じられないくらい青く美しかった。日本では見たことのない、その青さの理由は氷河から流れ出た水にロックフラワーと呼ばれる鉱物の微粒子が混ざり、太陽の光で輝くためである。ずっと訪れたかったこの場所で筆者は2泊、のんびりと過ごした。

テカポ湖の絶景を間近に感じながらキャンプ
星空ツアーも行われている「マウント・ジョン天文台」は地球上最南端の天文台。併設されるアストロカフェのラテアートには土星が描かれていた

 テカポからマウントクックへ向かう道中にある、プカキ湖にも立ち寄った。テカポ湖と同じく氷河から流れ込む水でできた氷河湖で、テカポ湖よりも乳白色がかったミルキーブルーが特徴だ。ずっと眺めていたいと思わせるほど静かな湖面が広がっていた。

 プカキ湖周辺ではキングサーモンの養殖が盛んで、世界のキングサーモン生産量の半分以上をニュージーランドが占めている。実際に食べてみると日本で食べるサーモンよりも格段に脂がのっていて、とろけるおいしさだ。お刺身が100gで約1,200円と高価だったが、もっと購入しておけばよかったと後悔したくらい、ここで食べたサーモンのおいしさが忘れられない。

テカポ湖とはまた違った青さのプカキ湖
道の駅のような場所に併設されていたサーモンショップでSashimiを購入

 自分の足でニュージーランドの大自然を間近に感じたいと、念願だった標高3,724mのニュージーランド最高峰マウントクックのトレッキングへ。

 テカポからアオラキ・マウントクック国立公園内にあるトレッキングの玄関口までは、車で1時間20分の道のり。今回歩くフッカーバレートラックは全長10km、往復3時間ほどのトレッキングコースでフッカー川に沿って渓谷を進む。眼前に広がるマウントクックの絶景を眺めながらのトレッキングコースのゴール地点には、なんと氷河を望むことができる。筆者の訪れた3月は夏の終わりのため氷河はわずかだったが、初心者が気軽に楽しめるコースとは思えないくらいの絶景に大満足のトレッキングだった。

マウントクックのトレッキングの中でも、フッカーバレートラックは初心者でも気軽に歩くことができる人気コース。トレッキングを楽しむ人のなかにはベビーカーを押す人もいて驚いた。

 空港がある最終目的地クイーンズタウンを抜け、グレノーキーまで向かった。クイーンズタウンから約50kmほど南下した先にあるグレノーキーは、友人からニュージーランドの原風景が広がる場所だとおすすめされ、ぜひ訪れたいと思っていた場所だ。

 雄大な風景は映画『ロード・オブ・ザ・リング』の撮影地にも選ばれた。グレノーキーの町は雄大な山々に囲まれた小さな町で、そこからパラダイスロードと呼ばれる道をドライブした。舗装はあまりされていない道だったが、ニュージーランドの牧歌的な景色が広がっていた。

グレノーキーの町から山間部へ向かうパラダイスロードと呼ばれる道中の景色。山々を背景に羊たちが広大な敷地で暮らしていた

 最終日に空港のあるクイーンズタウンへ。「女王が暮らすのにふさわしい街」と呼ばれるニュージーランド屈指の湖畔のリゾート地クイーンズタウンは、美しい山々とワカティプ湖の絶景が広がる自然と都会が融合した街だ。数多くのアクティビティを楽しむことができ、筆者たちはスカイライン・ゴンドラを利用し絶景のなかリュージュを満喫した。

スカイライン・ゴンドラを利用してクイーンズタウンを一望できる場所へ
大人から子どもまで楽しめるリュージュは2種類のコースを選べる
中心地からの雄大な景色を眺めるひととき、湖では蒸気船クルーズや湖上でのアクティビティが楽しめる