■ミツマタ群生地の開花状況は?



カーブを曲がると、突然、ミツマタの木が現れました。いよいよお楽しみゾーンの始まりです。不動尻広場では、早くも満開となったミツマタもちらほら見られます。そこからは、未舗装のつづら折りとなっている道を登っていきます。斜面にはミツマタの木がびっしり。なかには道を塞ぐように伸びた株も。そのため、ミツマタの花に触れないように、かがんだり横向きになったりしながら慎重に歩きます。枝に引っ掛けてしまうこともありますので、大きな荷物は広場に置いておくとよいでしょう。
取材日は3月18日。関東に春の雪が降る前日でしたが、斜面の中腹より上では五分咲きといった感じでした。この記事が掲載される3月下旬には、暖かい日が続く予報となっているので、ちょうど見頃となっているはずです。黄色で染まる夢のような世界をぜひご覧になっていただきたいものです。
■ミツマタだけではない不動尻のお楽しみ



実は、不動尻の見どころはミツマタだけではありません。少し奥に入ったところには、不動の滝があります。高さは数メートルほどですが、一枚岩を滑るように流れ落ちる滝は迫力があります。そして、その周辺を気をつけて見てみると、白い花びらと赤い雄しべの先のコントラストで人気の「ハナネコノメ」が咲いていました。わずか5ミリほどの小さな花ですが、この花を目当てに訪れる方も少なくないと聞きます。今年は例年よりも数が少ないようですが、それだけに、そのかわいらしさが際立って感じられました。
また、沢の中に目をやると、表面がコバルトブルーに輝く石がたくさんあることに気づきます。「セラドナイト」という鉱物が集まったもので、東丹沢ではよく見ることができます。美しい宝石のような石に囲まれ、ちょっとした王様気分になれますよ。

無事に駐車場に戻ってきたら、帰りは近くのラーメン店「ZUND-BAR」へ。超人気店なので、休日は30人待ち以上ということも珍しくありませんが、ラーメン党ならぜひ一度は訪れたいものです。私は、醤油ラーメンのまろ味をチョイス。この日に出会ったミツマタや早春の生き物たちのことを思い出しながらじっくりと味わったのでした。
【アクセス】
車:厚木市広沢寺温泉前の無料駐車場(30台:8時~18時)に車を停めます。ミツマタ開花時は、臨時駐車場もできます。林道沿いやゲート前の駐車は厳禁ですのでご注意を。
バス:本厚木駅厚木バスセンター9番線から、広沢寺温泉行または七沢行に乗車。広沢寺温泉または、広沢寺温泉入口下車。
その他
・コースの中間地点にある山神隧道(トンネル)を過ぎると、携帯電話(docomo)の電波が届きにくくなります。必要な情報は事前に集めておきましょう。
・不動尻から大山に登ることもできます。不動尻までの往復ならば必要最小限の装備で十分。ミツマタの花を傷つけないためにも、荷物をコンパクトにすると良いでしょう。