この時期になっても、気象状況によっては関東南部の山でも積雪することがある。2025年2月初旬の寒波の到来では、丹沢の山も雪化粧しているのが確認できた。
こうなってしまうと、登山道や登山口までの状況や詳細がわからないため、ハイキングに出かけたくとも躊躇してしまう人も多いのではないだろうか。
今回はそんな人に向けて、降雪の心配が少ない神奈川県の山&トレイルを3つ紹介したい。駅から登山開始ができるため、公共交通機関を利用してのハイキングが楽しめるルートだ。
■鷹取山(たかとりやま・標高139m)

鷹取山は神奈川県横須賀市北部の逗子市との境にある標高139mの山だ。切り出した岩山の容姿が群馬県の名峰・妙義山(みょうぎさん)に似ていることから、「湘南妙義(しょうなんみょうぎ)」とも呼ばれている。
起点となるのがJR横須賀線・東逗子駅(ひがしずしえき)。駅から20分ほどの場所にある、神武寺(じんむじ)から鷹取山を目指す。

山頂の展望台からは横須賀の街や、本牧、みなとみらいなど港の街を一望でき、海との眺望を楽しめる。南側には三浦方面、湘南の眺望が広がり、都心に近い場所にいながら自然豊かな風景も満喫できる。
下山は東逗子駅に戻る登山道が整備されているほか、京急線・追浜駅へと下山することもできる。所要時間は約2時間30分ほどだ。
【東逗子駅から鷹取山周回コース】所要時間
東逗子駅 (0:00) → 神武寺 (0:25) → 神武時山 (0:36) → 鷹取山 (1:06) → 東逗子駅 (2:30)
歩行距離:約5.2km
累積標高差:登り 235m、下り 214m
合計所要時間:2時間30分
■関東ふれあいの道「三浦岩礁のみち」

気象庁によると、神奈川県・三浦の冬の平均気温は6.6℃と温暖で降雪の心配がない。そんな三浦市のトレイルコース「三浦岩礁のみち」は、総延長が約1,800kmにもなる「関東ふれあいの道」の1セクションに指定されている。海沿いのトレイルということもあり、夏は気温が上がるため冬から早春にかけて歩くのがおすすめだ。ただし、海沿いということもあり、強風や高潮には注意が必要。訪れる前には天気のチェックと、潮の満ち引きの時間の確認を忘れないようにしたい。
京浜急行・三浦海岸駅からバスで20分ほど行った「松輪」で下車、そこから徒歩で「間口漁港(まぐちぎょこう)」まで行くとスタート地点となる。
高低差はほとんどないが、場所によっては滑りやすい箇所もあるため気をつけたい。海岸沿いには、かながわの景勝50選にも選定されている「盗人狩(ぬすっとがり)」と呼ばれる景勝地がある。高さ30mもある断崖で、迫力満点だ。

ゴールは「宮川湾」となり、「宮川町バス停」からバスで三浦海岸駅まで行き、帰路につける。所要時間は約3時間ほどだ。
【三浦岩礁のみちハイキングコース】所要時間
間口漁港 (0:00) → 剱崎 (0:15) → 江奈湾 (1:05) → 白浜毘沙門天 (1:40) → 盗人狩 (2:40)→宮川湾 (3:10) → 宮川町バス停 (3:17)
歩行距離:約11.5km
累積標高差:登り 314m、下り 286m
合計所要時間:3時間17分
■城山(しろやま・標高563m)

神奈川県と静岡県の境にある湯河原町。その湯河原駅を起点に登ることができるのが、城山だ。
湯河原駅から城山山頂までは約1時間40分で到着できる。山頂からは相模湾を一望でき、晴れた日には伊豆諸島も確認できる。

山頂からは幕山公園(まくやまこうえん)への下山がおすすめ。幕山公園には約4,000本の梅の木が植えられており、2月から3月にかけては梅の花見が楽しめる。
湯河原駅を起点とした城山へのコース所要時間は約4時間30分ほどだ。
【湯河原駅から城山周回コース】所要時間
湯河原駅 (0:00) → 城山 (1:40) → しとどのいわやバス停 (2:17) → 幕山公園 (3:34) → 湯河原駅 (4:36)
歩行距離:約11.3km
累積標高差:登り 740m、下り 740m
合計所要時間:4時間36分
今回は積雪の可能性が少ない山&トレイルを紹介したが、路面の凍結などには注意が必要だ。出かける際は万が一に備え、滑り止めの携帯は忘れないようにしたい。
標高の低い山は海沿いのトレイルでは夏は気温が高く、歩きにくい。そんな場所こそ今の時期に歩くのがおすすめだ。空気の澄んだ晴れた日を狙って神奈川県の低山へ足を運んでみてはどうだろうか。