■「ワークマン」と「プロノ」を履いて比較してみた

左:ワークマン「アジム」右:プロノ「ナナロクトレッキングセーフティー」を比較してみた 

 今回、アジムと比較した靴はプロノの「ナナロクトレッキングセーフティー」。価格帯がほぼ同じで、筆者が通うワークマンの店長も注目しているモデルだ。

 それぞれ約4kmの登山道と、下山後の約2kmの舗装路で交互に履き比べた。4つのシチュエーションでテストしたので参考にしてほしい。

プロノ ナナロクトレッキングセーフティー
価格/4,389円(税込)
カラー/ブラック、グレー
サイズ/25.0cm、25.5cm、26.0cm、26.5cm、27.0cm、28.0cm、29.0cm                                                                                              

●乾燥した斜面(登りと下り)でグリップ力と靴のフィット感を試す

左:プロノ「ナナロクトレッキングセーフティー」と、右:ワークマン「アジム」それぞれのソールデザイン

 登山の途中に現れる約30度の乾いた土の斜面の登り下りを、それぞれの登山靴で試した。

「アジム」
乾燥した土の路面では、靴底のグリップも十分でしっかりと地面を捉えてくれる。軽量なので足の運びも軽快だった。また、フィット感に関しては履き口が柔らかく足首を包み込むような感触があり、下りで靴紐を一番上まで締めても痛くならなかった。

「ナナロクトレッキングセーフティー」
登りではスタッドレスタイヤのようなソールがしっかりと路面を掴み、下りも安定したグリップ力があり、靴紐を上まで締めた際のフィット感がソフトで履き心地がよい。
ただし、つま先に鉄芯が入っている影響か、重量が510g(25.5cm片側・実測)と「 アジム」より約100g重いので、軽快な感じは受けなかった。

●水たまりと泥濘(ぬかるみ)で防水性とセルフクリーニング性(泥はけ)を試す

 雪解け水で泥濘や水たまりが点在。避けられなく通過した際のレビューだ。

「アジム」
水分を多く含んだ泥濘や深さ3cm程度の水たまりの上を歩いたが、防水性に問題はなかった。セルフクリーニング性に関してだが、乾いた土の路面に戻るとソールが大きなブロックで構成されているため、泥はけが非常によく、快適に歩けた。

「ナナロクトレッキングセーフティー」
防水の表示が見られないが、水の浸水はみられなかった。セルフクリーニング性に関しては、泥がソールの細かい溝に詰まる傾向がみられ、乾燥した路面に戻ってもなかなか落ちなかった。

●濡れた岩場を含む路面ではどうか

 低山でもときどき現れる岩場。岩や大きな石に乗ったときの安定感や、濡れている岩肌での滑り具合をチェックした。

「アジム」
ソールが柔らかいので、不規則な形の岩や石の上に乗るとやや安定感に欠ける印象があったが、短い距離の岩場ではそれほど気にならない。また、濡れた岩や石の上では少し滑る傾向にあったので、気を付けて歩行したい。

「ナナロクトレッキングセーフティー」 
アジム同様、ソールが柔らかいが厚みがあるので、安定感はそれなり。しかし、濡れた岩場でもしっかり岩肌を捉える感覚がある。ただし、絶対に滑らないわけではないので、慎重に歩行したい。

●舗装路で歩きやすいか

 登山の行き帰りではアスファルトの舗装路を歩くこともあるだろう。それぞれの靴で約1km歩いて違和感がないかを試した。

「アジム」 
軽量であることと、ソールの柔らかさでスニーカーと変わらない歩き心地で、アスファルト上でも違和感なく歩くことができた。

「ナナロクトレッキングセーフティー」
ソールが厚いので反発力がありスニーカーと同じ感覚とは言えないが、慣れればそこまで気にはならない。

■「ワークマン」と「プロノ」で登山をした結果は 

 実際の登山でこの2足を履き、さまざまなシチュエーションで試したところ、履き心地がよく、岩場や沢が少ない低山では快適に歩くことができた。一方、岩が多く滑りやすい登山道では本格的なアウトドアブランドの登山靴が適していると想像できた。