山の奥深くまで連れて行ってくれる7つのロープウェイやゴンドラなどの索道を利用して、標高1,000m~2,000mの世界で秋の絶景を記憶と記録に焼き付けよう。
第7回は「黒部峡谷 トロッコ電車」を紹介したい。
●ここがポイント! ロープウェイ、ゴンドラ、トロッコ、遊覧船を使うメリット
ポイント1. 一気に標高1000m~2000mの世界へ
乗り物の力を使うことですぐに山の上や奥深くまで上がれるので、体力と時間の節約になる。時間をかけてじっくりと撮影に集中できるため、納得のいくで撮れ高が得られるのは間違いない。
ポイント2. 山岳風景ならではの写真が撮れる
ロープウェイなどで向かう先は標高1000m超えの場所。そこは絶景が広がる非日常の世界。乗り物に乗って
いる時の眺めも特別な時間が堪能できる。
ポイント3. レベルや体力に関係なく楽しめる
乗り物を使うことで体力に関係なく、誰でも比較的簡単に山の上や遠くへ行ける。そのため、年の差がある家族や普段は登山をしない人などレベルや体力に差がある人でも気軽に同じ景色を楽しめる。
ポンント4. 多くの機材を持っていける
こだわりの撮影をしようと意気込むほど荷物は重くなるもの。この悩みは索道を使うことで一挙解決。重い荷物を背負ったまま、ロープウェイなどに乗って移動できるので、楽々と標高を上げられる。
■日本一険しい峡谷を車窓から満喫 手つかずの秘境の秋景色の中へ
●色づいた谷間を縫うように進む列車
北アルプスの鷲羽岳から日本海まで、86km、標高差3,000mにわたって流れる黒部川の上・中流域に、日本一深いV字峡谷を刻む黒部峡谷。この峡谷を縫うように走り抜けるトロッコ電車は、大正末期に水力発電所の資材運搬用に施設された鉄道で、現在では、車でアクセスできない秘境地帯の大自然を体感できる山岳観光列車として人気を誇る。富山最大の宇奈月温泉を起点に、線路幅762mmのナローゲージ(新幹線の約半分)を平均速度16kmでゆっくりと進む様子は鉄道ファンをはじめ多くの人の郷愁をそそる。
2024年能登半島地震で沿線に被害がでたことから、昨年に続き今年も途中駅の猫又駅までの折り返し運行となる。運行区間は若干短くなったが、沿線には見所がたくさんあり、とくに紅葉の時期の美しさは格別だ。絶景のオンパレードが続く中、とりわけ見逃せない撮影スポットが近づくと車内アナウンスで紹介するサービスもある。
ちなみに猫又駅は、日本で唯一「猫」がつく駅として知られる。期間限定で下車も可能で、展望台なども設置されており、カラフルに染まる峡谷の自然美と共に駅を撮影していく愛猫家も多い。
●MAP

●SPOT_01 峡谷を渡るトロッコ電車と新山彦橋の競演

宇奈月駅から徒歩約5分。かつてトロッコ電車が走っていた「山彦橋」は、現在は遊歩道として整備され、峡谷の風景をゆったりと楽しめる人気のスポット。すぐ隣を走る赤いアーチ式の「新山彦橋」では、トロッコ電車が行き交い、その姿をカメラに収めようと訪れる人も多い。
●SPOT_02 絶壁に挟まれた深い渓谷を渡る後曳橋

黒薙駅を出発してすぐ目に入る「後曳橋(あとびきばし)」は、沿線で最も切り立った谷にかかっており、谷底からの高さは60mに達する。その名は、かつて黒部奥山へ踏み込んだ旅人が、あまりの深さに思わず後ずさりしたことに由来。断崖と谷底の迫力が圧巻のスポット。
●SPOT_03 まるで水墨画のような出六峰

出平駅を過ぎてしばらくすると、対岸に姿を現すのが、6つの峰が背比べをするようにそびえる断崖絶壁の連山「出六峰(だしろっぽう)」。雨の日にはその幽玄さがいっそう際立ち、山肌にたなびく雲と相まって、まるで水墨画の世界に迷い込んだような幻想的な景色が広がる。
●SPOT_04 日本で唯一、駅名に「猫」が付く猫又駅

期間限定で下車できる「猫又駅」周辺には、展望台やフォトフレームが設置されるとともに、工事関係者専用駅であることから大型重機もあり、見どころの1つとなっている。猫好きにはたまらないスポットとして、紅葉と鉄道旅、そして“猫”というユニークな組み合わせが、多くの人を惹きつけている。
●CHECK POINT ! 「鉄道の日」に特別イベントを開催

10月12日には「鉄道の日」(10月14日)にちなみ、「鉄道の日イベント」を開催。トロッコ電車のオリジナルグッズの販売や車庫見学会、犬釘打ち、制服着用体験などファン垂涎のプログラムも。
●attention! 良いこともあるけど、これは気をつけよう!
1_ 乗った先の天候と気温差
標高が1,000m上がると、気温は約6℃下がる。さらに山上は風を遮る場所がなく、吹きさらしになることが多いため、さらに体感気温は下がる。山の奥深くへ水平に移動したとしても、同様に出発地との天気は違っている。乗り物を利用する際は、山を歩くことと同じように、防寒着やウィンドシェルなど、羽織れるものを一枚追加して持っていこう。
2_最終運行時刻をチェック
当然ながら、乗り物には最終運行時刻があるので注意しよう。散策を楽しみすぎて、うっかり時間を忘れたり、遠くまで行って戻るのに時間がかかってしまい、帰りの便に乗れなかった、ということがないよう時間に気を配りながら紅葉フォトトレッキングを楽しもう。
●施設概要:黒部峡谷トロッコ電車
・距離/11.8km 往復所要時間/約120分
・営業期間/営業中~11月30日(日)無休
・運行時間/宇奈月駅始発8:17~宇奈月駅終発15:19
・料金/宇奈月駅→猫又駅
往復:大人(中学生以上)2820円、こども(6歳以上12歳未満)1420円、未就学児無料
・アクセス/車:北陸道・黒部ICより約20分
電車:北陸新幹線・黒部宇奈月温泉駅から富山地方鉄道・新黒部駅に乗換え、富山地方鉄道・宇奈月温泉駅で下車。ここから徒歩5分で黒部峡谷トロッコ電車・宇奈月駅
・駐車場/350台・最初の6時間1000円、駐車後24時間最大1500円
・住所:富山県黒部市黒部峡谷口11番地
・電話:0765-62-1011
【「soto 2025」より再編集】
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