■なぜ利用料無料で運営できるのか?  無料スキー場の今後

オホーツク海を一望できる「雄武町(おうむちょう)風の丘公園」内にある、「風の丘スキー場」(画像提供:風の丘スキー場)

 一番の疑問「なぜリフト券無料で運営できるのか?」 アンケートの回答結果は以下の通り。

・町営の指定管理施設であり、他の体育施設と一体で町費で運営している。町民の方の健康増進や生涯スポーツの環境づくりとして、またスキージャンプが盛んな町の選手育成環境の充実などのため運営している。人口規模などから有料化しても新たに必要になる人件費分に見合わないため無料での運営を続けている面もある。

・教育施設としてスポーツ振興のために運営しているから(町が費用をすべて負担)

・正確には公園内にある斜面を利用しており、スキー場と銘打っているが、本来のスキー場の定義からはほど遠く、公園の規程上、スキー利用収入を目的としていないため。

・村営の施設のため。村内の体育施設はほとんどが無料で利用することができる。

 やはりどこも町民、村民のための公共施設といった位置づけで、運営費は自治体から捻出されてまかなわれている。住民の健康増進、子どもの体力向上につながる取り組みとして、地域への貢献度は依然として高いのだ。

 なかでも下川町スキー場には、スキージャンプ界の“レジェンド”葛西紀明選手や北京オリンピック日本代表の伊藤有希選手、長野オリンピック団体金メダリスト岡部孝信らも練習に励んでいたジャンプ台が3台併設されており、町を代表する施設となっている。市民、近隣住民のみならず日本のトップ選手を育てる役目も果たしていることを考えると、意義のある取り組みであると言える。

 一方で「有料化しても採算が採れない」「町内全体の施設も考慮したうえで、永続させていくかどうか悩みどころ」といった、運営費が捻出できない理由や、老朽化していく施設の今後の在り方について心配する声も聞こえてきた。

 有料化の予定について質問したところ、すべての施設から「ない」との回答がよせられたが、無料であるがゆえに、施設へどの程度予算が当てられていくかは今後の課題といえる。

 まだまだ無料スキー場の存在を知らない人も多いはず。ぜひ経験の一つとして、話のネタの一つとして、旅行を兼ねて訪れてみてはいかがだろうか。

2つのコースとナイター設備を兼ね備えた上川町にある「上川町営中山スキー場」(画像提供:上川町営中山スキー場)

●施設名 上川町営中山スキー場(上川町)

住所 〒078-1763  北海道上川郡上川町東町
電話 01658-2-2683
スキー場概要 リフトなど/ロープトゥ1基、コース数/2、全長/240m、斜度/最大20度

ホームページURL 上川町営中山スキー場

※営業日時はホームページよりご確認ください

●施設名 下川町スキー場(下川町)

住所 〒098-1204  北海道上川郡下川町南町444-2
電話 01655-4-3914
スキー場概要 リフトなど/ロープトゥ1基、コース数/1、全長/250m、斜度/平均斜度12度程度

ホームページURL 下川町スキー場

※営業日時はホームページよりご確認ください

●施設名 風の丘スキー場(雄武町)

住所 〒098-1702  北海道雄武町字雄武1648番地の1
電話 0158-84-4240(雄武町教育振興課生涯教育係)
スキー場概要 リフトなど/ロープトゥ1基、コース数/1、全長/不明、斜度/不明

ホームページURL 風の丘スキー場

※営業日時はホームページよりご確認ください

●施設名 宮の森スキー場(西興部村)

住所 〒098-1501  北海道紋別郡西興部村西興部
電話 0158-87-2501(西興部村教育委員会社会教育係)
スキー場概要 リフトなど/ロープトゥ1基、コース数/1、全長/約300m、斜度/15~20度程度

ホームページURL 宮の森スキー場

※営業日時はホームページよりご確認ください

※この記事の情報は2025年2月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。